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一時間後しないうちに徹也は二人とも身柄を確保して戻ってきた。時間から想像すると、夕方、仕事が終わって外に出てきたところを襲ったのだろう。二人まとめて連れてこさせて尋問することにした。
二人とも大勢のヤンキーに監視され、後ろ手に縛られ床に座らされている。ただ、どうしてここに連れてこられたか、よく分かっていないようだ。
「あなたたち、いったい何なの?」
「こんなことしてただで済むと思ってるのか!」
瑠奈と恭平がぎゃあぎゃあ騒いでいる。ただで済まないことをしたのはおまえらのくせに!
立花恭平とは初対面。日焼けした肌に口ひげなど生やして、動画で見ていた通りのちょい悪オヤジという感じの風貌。瑠奈はバリキャリ風のコーデと化粧。でもその外見は夫でなく、きっと間男の好みに合わせたもの。それが何より腹が立つ。
二人の正面には椅子に腰掛けた余がいる。まず瑠奈が余の存在に気がついた。
「音露なの? こんないたずらを仕組んだのは? 冗談なら笑える冗談にしてよね!」
「冗談なら笑える冗談にしろ? じゃあ、おまえの不倫は笑えるのか? 我慢の限界を超えたからおまえたち二人とも殺すことにした」
「不倫? 言いがかりはやめて! 恭平は勤務先の会社の社長だから」
馬鹿すぎて呆れてしまった。社長を目の前で呼び捨てにする社員がどこにいる?
「真琴、証拠を見せてやれ」
「はっ」