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「悠人くんはお父さんによう似とるなあ」
小さい頃から俺はそう言われた。
小さい頃は嬉しかった。
銀行員でかっこいいお父さん、
俺はお父さんみたいな人になりたかった。
でも、今は、
「悠人さんお父さんが人殺しですってー?」
「上司に腹立って殺したんだって」
そう俺の同僚、先輩、後輩は言う。
2年前、ようやく銀行員として働き始めたのに一年前に父が人殺しをしたのだ。
そのせいで今、俺は社内でいじめられている。
「お前も殺すんかー?やいやい」
一生懸命パソコンを打っている中、俺にちょっかいを出す。
「やめてくださいよ」
そう言うと、
「ああー?殺すのー?」
少し反論しただけなのに、
お父さんが殺したのに、
俺が殺したわけではないのに。
毎日、毎日、そう思った。
家に帰って掃除をした。
ストレスが溜まっているから少しでも綺麗にしたかった。
バサ
「アルバム」
小さい頃のアルバムが落ちた。
ああ、昔はずっとお父さんと一緒で、
「悠人くんはお父さんによう似とるなあ」
似てる、
似てるんだ。
これは血液、DNAで決められたこと、
「お前も殺すんかー?」
同僚の声が聞こえて来た。
「ああ、そっか、やっぱり似てるんだ。」
俺はお父さんと似てることを再確認し、
包丁を持って会社に出社した。
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