🩷「阿部ちゃんてさ、翔太とどうして付き合うことになったの?」
酒が入って、気を許したのだろう、佐久間がいきなり突っ込んだ質問をして来た。
久しぶりにシンメで飲もうよー!と誘われて来た2人飲み。照との付き合い始めから現在までをさんざん惚気倒した後、自分ばっかりべらべら話していたことに気づいたのだろう、佐久間は調整に入ったらしかった。
俺は残り少ないハイボールを一口飲み、言った。
💚「俺から告ったの。それだけ。面白い話なんて何もないよ」
事実だった。
翔太はずっと照のことが好きだった。
それを知りながらも俺は翔太のことを諦めきれないでいた。
翔太の恋愛相談に乗っていたのも一度や二度ではない。
照が深澤と仲良くしていたり、佐久間と戯れ合っているのを切なそうに見ている翔太を見掛けては慰めた。
『さっさと俺のことを好きになればいいのに』
半ば恨みにも似たドロドロした感情を抱きながら、翔太が自分を見てくれるのを俺はひたすら待ち続けた。
そして忘れもしないあの日。
照がみんなの前で佐久間のことを好きだと公言したあの日。
笑顔で祝福する翔太の腕を引き、2人きりになった。
💙「あれ?俺?うまくできなかった?」
そう言って泣き笑う翔太を初めて本気で抱きしめた。
💚「俺を見て」
💙「阿部ちゃん?」
💚「俺が見てるのをせめて知ってくれたらそれでいいから」
涙を堪えながらやっとそこまで言った。
翔太は腕の中で小さく震えていた。
でも、俺の腕を振り解きは、しなかった。
だから、佐久間の隣りで屈託なく笑う照は今でもちょっと苦手だ。
そんな時はいつも目の端で確認してしまうから。
翔太はそんな俺に気づくと、そっと手を握る。
優しい翔太の目を見ると泣きそうになる。
弱い自分が情けなくなるから。
🩷「あ、照今からここ来るって」
💚「そう。じゃ、俺これ飲んだら帰る」
🩷「……悪いな。気ぃ遣わせて」
💚「お前らといるより翔太といる方がいいから」
🩷「あっつ!!!」
俺は曖昧に笑って、残りを一気に飲み干し、席を立った。
おわり。
コメント
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💚💙待ってた✨✨
クソみたいなセンシティブ2本ボツにして、書いたやーつ💚💙 眠くて仕事にならない🥺🥺🥺