💙「は?誕生日の瞬間をふっかと過ごす?」💛「ごめん」
翔太の眉がぴくり、と上がったのがわかるが、俺はとにかく頭を下げ続けた。
ソファの上には腕組みしてキレてる翔太。足元には土下座する僕。
💛「どうしても、お祝いしたいって言われて」
💙「ふーん」
💛「知らない間にホテルの部屋も予約されてて、断れなかった」
💙「ほーお」
翔太の足が、俺の頭に乗った。
でも、そんなことで済むなら、殴られても蹴られても構わない。それよりも俺が恐ろしいのは…
💙「わかった。じゃあ俺もその日は目黒とホテルに泊まる」
💛「いやいやそれだけはマジでやめてほんとに!」
💙「キスくらいは許しちゃおうかな」
💛「翔太!」
💙「でも場所が場所だし、もっと先に進む…なんてこともありえるよな」
💛「ごめんって!!!!!」
半泣きの俺を、翔太は冷たい目で見下ろすと、帰ると言い捨てて本当に帰って行ってしまった。
翔太が目黒と浮気なんてしないなんてことはわかっている。目黒だって迷惑だろう。
それでも翔太を傷つけてしまったこと、寂しい思いをさせてしまっていることは疑いようがなかった。
なぜなら俺は間近に迫った誕生日の話題を、翔太が意識的に避けていることに気づいていたからだ。何かサプライズでお祝いしてくれようとしていたに違いない。それでもふっかからの誘いを断りきれなかった俺が全部悪い。
翔太との付き合いをみんなに公表していれば、こんなに悩むこともなかったのに。
しかし、秘密厳守を了承して付き合い始めたのだから、そんな言い訳も今さらと言える。
俺は頭を悩ませていた。
そして結局取った結論は。
💛「ふっか……あの…げほっ…体調悪くて、今日行けなくなった……ごほごほっ……ほんとにごめん」
わざとらしく体調の悪いふりをし、仮病を使ってふっかとの約束を反故にすることだった。
最低だ、俺。
電話口でふっかは、わかりやすく落胆していたが、優しく、「お大事に」と気遣うようなことを言ってくれた。
本当にいいやつだ。翔太がいなかったら、好きになっていたかもしれない。
💙「え!照!?」
翔太の家に連絡なしに行くと、翔太はパックをしたままで現れた。
リビングには孤独の寂しさを埋めるようにテレビの音が大きく響いている。
💛「1人?」
💙「当たり前だろ。お前と一緒にすんな」
💛「会いたかった。せっかくの誕生日だし」
そう言い、抱きしめると、翔太は嬉しさを隠しきれずといった感じで、家の中に俺を招き入れた。
💙「ふっかはよかったのかよ」
💛「いい。翔太の方が大事」
💙「へ、へぇ?」
翔太の声が少し上擦る。
照れて喜んでいるのがわかる。可愛い。いつもいつもなんだかんだで俺のことが大好きなんだから。ヤキモチを焼いたり、自分を選んでもらえて喜ぶ可愛い翔太が見られるのなら、この関係は秘密のままな方が楽しいかもしれないと思う俺は底意地が悪いだろうか。
それから、ひたすらテンションが高く、いっぱい喋る翔太の話をにこにこと聴き、とっておきのプレゼントも受け取り、真夜中の誕生日を迎える瞬間には2人で愛し合う最高のバースデーを過ごした。
おわり。
コメント
14件
しょっぴーの反応が可愛すぎる💙
いやぁ、素直に喜んじゃう可愛いしょぴ💙 これはふっかにも今度埋め合わせやね。
ひーくんお誕生日おめでとう💛 最近のいわふかすごいよね💛💜と 翻弄されている中 これですよ💛💙 はぁ〜いそがしいっ🥰