テラーノベル
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「秘密?」
「そう。トップシークレット」
そう言いながら不破さんが辺りをキョロキョロし始める
「この部屋、禁煙だった?灰皿とか‥‥」
「あ、灰皿はなくて‥‥」
俺はテーブルにあったお菓子が乗っている皿を手に取り、お菓子をテーブルに出しての前に出した
「ごめんね?確認もせずに吸っちゃって」
「いえ、それより秘密って‥‥」
「俺達3人は中学からの同級生なんだ。葛葉とかなかなと俺」
「そうなんですか。葛葉さんのお父様の秘書なだけじゃなかったんですね」
「そうだね。昔は今よりももっと近い友達だったんだよね。でもやっぱり葛葉の家が家だからさ、格差はできちゃうんだよな。そんな格差が出来る前はかなかなが葛葉の事好きだったと思うよ」
「え?叶さんが葛葉さんの事を?」
「うん。でもねそんな時、かなかなの家が大変な事になって、それを友達だからって葛葉が父親に頼んで助けてあげたんだ。その時には経営は既にダメだったから‥‥そしてかなかなの父親は行方不明になって、残された母親は病気で他界したんだ。そこから2人の関係はおかしくなって行ったんだ」
「そんな‥‥」
「借りた金は返さないといけないし、父親は居なくなるし。母親には残された会社経営は無理だったみたい。葛葉の父親は友達とか関係ない人だからな」
「だったらそのお金は‥‥」
「叶さんが高校終わってすぐに葛葉の会社に入って、数年で返し終わったよ。給料良いからねあの会社は」
「なんだか複雑ですね‥‥でも今でも叶さんが葛葉さんの事好きだったら‥‥」
「それはわからないな。大人になるに連れ、かなかなの事は読めなくなっちゃったからなぁ」
吸い終わったタバコを消すと、不破さんは俺の乱れた服を整えて自分の服を着始める
「昔は分かりやすい人だったのに、母親がいなくなってから人が変わっちゃったんだ」
「辛かったでしょうね」
「でもね、その代わりに葛葉はいつも分かりやすい奴だよ」
「え、葛葉さんがですか?」
「そう」
ビシッとスーツを着ると、不破さんもやっぱりモデルのようだ
鏡を覗き込み、髪の毛を直している
「葛葉なんか見てたらわかるよ」
「そうなんですか?」
「ロウ君は来たばかりだからね。まだ無理だろうけどさ、こんな事して‥‥分からない?」
「え‥‥こんな事?」
「そう、こんな子供みたいに嫉妬してさ」
「嫉妬?」
そうか
俺はセラさんの事だけに囚われていた
あの2人‥‥
元から間違ったピースを型に嵌めようとしていたんだ
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コメント
4件
そんな過去が...knkz~狂っちまうよ~ ふわっち... 続き楽しみにしてます!!!!