テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
もしもあの2人が思い合っていたのなら?
拗れてしまった糸はもう解けないのだろうか
どれほどの思いで俺に結婚を申し込んだのだろう
もう葛葉さんは過去の人だからか‥‥
それとも思いを断ち切る為に俺が必要なのか
数日が経ち、叶さんから連絡が入った
今日には帰るとの事
不破さんが帰った後
葛葉さんが俺の元へ来て言い放った
「もう俺たちの世話はしなくていい。3階には絶対上がって来るな」
俺は数日の間、2階のフロアだけで外にも出る事なく過ごしている
夜には叶さんが帰って来る
色々知れた事はあっても叶さんに言える事は少ない
不破さんから聞いたとも言い出せないし
でも俺がここに居てはいけない気がする
俺がいる事は葛葉さんの精神衛生上良くないと思うから
セラさんとの事を揶揄うみたいにしていた時とは違う
きっと俺が感じた冷たい視線は葛葉さんだ
セラさんは‥‥
そんな視線で俺を見ない
見るならきっと憐れみだ
憐れまれてもいい
もう一度セラさんの腕の中で眠りたい
でもそんな事言ってる時間はなさそう
どうせこの家を出るなら叶さんに言えることは言ってみよう
コンコン‥‥
まだ明るい時間だ
叶さんが早く帰ってきたのかな?
ドアのノブを回し扉を開けるとそこにはセラさんが立っていた
「え?セラさ‥‥」
「しっ!」
そう言うとセラさんは素早く部屋に入り、静かに扉を閉めた
「どうしてここに、葛葉さんは‥‥」
「葛葉さんは眠ってる。ここ何日か眠れてなかったから多分起きて来ないと思う」
「‥‥俺のせいですね」
「なんで?」
セラさんが俺の頬を撫でた
「ロウ君も疲れた顔してる。何か思い詰めてる?」
「そんな事ない」
「そんな事あるだろ。叶さんに言われた事とか葛葉さんにされた事とか‥‥あの後大丈夫だったか?」
「あの後?‥‥あ、大丈夫。何を見ても予想はしてたから」
「いや、俺との‥‥その‥‥アレを見た事もだけど、その後不破さんが来たんだろ?」
「‥‥大丈夫だよ、慣れたから」
「慣れるなよ、そんな事に。それに俺達諦めるのはもう辞めよう」
「諦める?何を‥‥」
セラさんが俺をギュッと抱きしめた
嬉しい
でもセラさんの背中を掴む事は出来なかった
「なんか‥‥お前消えそうで‥‥」
「ここに居るのに?」
「結婚するなよ」
「‥‥‥‥」
「なんで黙ってんの?」
何も言えなくてセラさんの胸に顔を埋める
セラさんが俺の肩を掴んで顔を覗く
一瞬で顔を作り、笑みを浮かべた
「昔と変わらないな。あの時も無理して笑ってた」
「‥‥‥‥」
それ以上言わらたら泣いてしまいそう
だからセラさんの腕を解こうとした
「一緒にここを出ようか」
「‥‥‥‥」
首を横に振る
俺と一緒にいたらあなたの夢が潰えてしまう
「離したくない」
「‥‥セラさん?」
また抱きしめられる
先ほどよりも強く‥‥
そして俺の脚は宙に浮いた
.
コメント
6件

セラロウがほぼないので凄く更新楽しみにしてます! お話も好きです!
好きですッッ⸜❤︎⸝ 投稿ありがとうございます! 続き待ってます!
!!??????!?!!!! セラ が動き出した!やばいちょーびっくりです! こや が消えそうな感じはあるの納得すぎます!続き楽しみにしてます✨️ᗜ✨️