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お互いがお互いを認め合える関係って凄く良いものだが、それが簡単なものではない。
世の中は残酷で、自分とは違う部分も見ると嫌になるんだ。
でもそれでも桃は全てを受け入れようとする。
こいつはずっと幸せであるべき人間だ。
なのに。
病気で死ぬとか、そんなのあっていいはずがない。
桃はこれからもずっと、笑って誰かと幸せを分かちあって、生きていくべきだ。
なぁ桃、その笑顔はいつまで見られるんだ?
俺が赫の家に戻ると、
「あれ、桃くんは?」
そう聞かれたので、さっきまでの話はせず、
黈と一緒に病院へ向かったと話した。
「紫、大丈夫か?」
俺が浮かない顔でもしていたのか赫が心配した
「なぁ俺は桃のために何が出来ると思う。」
そう聞くと、3人とも少し困惑した顔で見つめ合いながら、翠が話し出した。
「紫ちゃん、桃々のために出来ることは、桃々を元気づけて、思い出を作る、」
「それが紫ちゃんに出来ることだと思う。」
「桃が紫を想ってんなら今はそれに応えてやれ。」
そう赫が後押ししてくれた。
が、瑞だけが違う顔をしていて、その表情から、“悪い感情“が読み取られた。
俺がこいつを苦手意識した理由の一つだ。
小さい頃から人の感情を読むのが上手く、親の機嫌や周りの機嫌や顔色を伺いながら生きてきた。でも、
その中でもこいつはかなりの厄介もので、
悪い感情、なんて見えたところで対して大きなことではない、
逆に良い感情も対して良いものでも無かった。
1番読めないやつだった。
でも今はそれがはっきりと悪いものだと感じた瞬間だった。だからこそ、怖かったんだ。
「なに、?」
恐る恐る瑞に聞くと、
「ぇ?瑞なんか変だった~?」
と明るく返事、こいつになにか裏があるとは考えれない。
やはり読めないやつだ。
俺の嫌いなタイプであり、俺からすれば1番敵に回したくないタイプたったのに。
「瑞が変だとすれば~…紫くんが敵ってことぐらいじゃない?」
そう瑞が言った。
敵…?俺はいつこいつの敵になった?
どういう意味だ。 全く理解できない。
「お前それどういうつりで言ってる」
そう赫が怖い顔して言う。
「怖いな~…瑞はただ桃くんが好きなだけだけど。」
その感情は本心、そのものだった。
つまりこいつは回したくもなかった敵だ。
次の日桃が病院まで来て欲しいと連絡した。
俺と赫、翠、瑞で同行した。
「ぇ~っと、桃の病室は…」
番号で探してると翠が
「これかな、」
ネームプレートに桃の名前が書かれていた。
入ると医者と桃が話していた。
「ぁ、みんないらっしゃ~い! 」
そう桃が明るく挨拶してくれた。
隣に座っていた黈が少し悲しげな顔をしていた
「…なんかあった?」
翠が黈にそう聞くと、黈は一瞬驚いた顔見せたが直ぐに首を横に振った。
再び顔を上げた黈からは不安と信用の感情だった。それがどういう意味か、すぐに分かった。
「俺ね~残りの人生ずっと病院なんだって~」
その言葉に俺らは驚きを隠せなかった、
それでも桃が明るさを変えなかったからこそ、それが嘘だと信じたかった。
そう言いながら怖さと不安が押し寄せて、どうしようも無い感情に浸った。