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午後の社内。
「……」
ジョン・ドウはまだ少し落ち着かないまま、キーボードを叩いている。
(さっきの流れ……すごかったな……)
横で。
「……」
ジェーンは無言で作業中。
いつも通り。
——に見えるけど。
どこか、ほんの少しだけ空気が違う。
「いや〜しかしさ」
また現れる
シェドレツキー。
「さっきのあれは俺でもビビったわ」
「お前がやったんだろ」
冷静に返す
デュセッカー。
「いやでもさ〜」
シェドレツキーがジョンに近づく。
「正直どう思った?」
「え?」
「ブライトさん」
「あー……」
ジョン、少し考える。
(どう思ったって……)
「……かっこいい人だなって思いました」
素直に答える。
「強いし、はっきりしてるし……」
その瞬間。
「……」
ジェーンの手が、ほんの一瞬止まる。
「お〜」
シェドレツキーがニヤッとする。
「タイプ?」
「違います!!」
即否定。
「いやでも今ちょっと間あったよね?」
「考えてただけです!!」
「……」
ジェーンは何も言わない。
でも。
少しだけ、キーボードを打つ音が強くなる。
カタ、カタ、カタ。
(あれ……?)
ジョンが気づく。
「でさ〜」
まだ続けるシェドレツキー。
「ジェーンとどっちがタイプ?」
「やめてください!!」
「いいじゃん答えてよ〜」
「答えません!!」
「……答えれば」
ぽつり。
ジェーンが言う。
「え」
全員止まる。
「どうせ」
視線は画面のまま。
「はっきりしてる方がいいんでしょ」
淡々。
でも。
ほんの少しだけ、トゲがある。
「いやその……」
ジョンが焦る。
(これ……)
(ちょっとまずい流れでは……?)
「……別に」
ジェーンが続ける。
「どっちでもいい」
完全に“よくない時の別に”。
「いやいやいや!!」
ジョンが慌てて否定する。
「全然違います!!」
「何が」
「その……」
ちゃんと言わないとダメなやつだ。
「確かにブライトさんはかっこいいですけど」
「……」
ジェーンはまだ見ない。
「俺が好きなのはジェーンさんです」
はっきり言う。
一瞬。
空気が止まる。
「……」
ジェーンの手が止まる。
今度は、はっきりと。
「……それ」
小さく。
「さっき言えばいいのに」
ぼそっと。
「すみません……」
素直に謝る。
少しだけ間。
ジェーンがゆっくり視線を向ける。
「……」
じっと見る。
「……本当に?」
「はい」
即答。
数秒。
「……ならいい」
小さく頷く。
でも。
ほんの少しだけ。
さっきより空気が柔らかい。
その後。
「……」
ジェーンが少しだけ身を乗り出す。
「……」
距離が、ほんの少しだけ近くなる。
「……他の人のこと」
ぽつり。
「簡単に褒めないで」
小さい声。
でも、はっきり。
「……っ」
ジョンの心臓が跳ねる。
(これ……)
(嫉妬……?)
「……はい」
ちゃんと答える。
「気をつけます」
ジェーンは少しだけ視線を逸らして、
「……別に」
またその言葉。
でも。
今度は少し違う。
その様子を見て。
「今の見た?」
小声の
シェドレツキー。
「見た」
頷く
デュセッカー。
「嫉妬じゃん」
「嫉妬だな」
「かわいくない?」
「調子乗るな」
「……聞こえてる」
ジェーンがぼそっと言う。
「すみませんでした!!」
即謝罪。
その横で。
ジョンは少しだけ、顔を緩めていた。
(……嬉しいかも)