テラーノベル
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『虚無の箱、みんなの盾』サイト-19の、厳重にロックされた特殊地下倉庫。研究員のアイは、頑丈な金属製の台座の上に置かれた「透明なアクリルケース」の前に立っていた。ケースの中には、何も入っていないように見える。ただの空っぽの空気だ。しかし、その空間のちょうど中心に、約1メートルの「目に見えない見えない穴」――SCP-2435が浮遊していた。「SCP-2435、本日の質量吸収実験を行います」アイがピンセットで1本の不要なプラスチックペンをケースの小さな穴から差し入れた。ペンが「その空間」に触れた瞬間、何の音も立てず、煙すら出さずに、ペンの先端から綺麗さっぱりと消滅していった。まるで、最初からそこにペンなんて存在していなかったかのように、虚無の中に吸い込まれて消えてしまったのだ。このアノマリーは、触れた物質を100パーセントの確率で消滅させ、それを自分のエネルギーにしてほんのわずかずつ拡大していく性質を持っている。「うわぁ、本当に何でも消えちゃうんだね」アイの背後から、感心したような声が響いた。振り返ると、ソファに並んで座る16歳の感覚共有双子、ルイとイマニがこちらをじっと見つめていた。イマニの膝の上にはウサギのウォルターが丸くなっており、ルイの足元にはオレンジ色の999がすり寄っている。さらに、2匹のアイポッドたちもチチチと音を立ててケースを覗き込んでいた。「そうなの。何でも吸い込んじゃうから、絶対に触っちゃダメよ」アイが注意すると、ルイとイマニは同時にコクコクと首を縦に振った。すると、何を思ったのか、白ウサギのウォルターがイマニの膝からトコトコと降りて、ケースに近づいていった。「あ、ウォルター! 近づいちゃダメ!」アイが慌てて止めようとしたが、ウォルターはピクピクと鼻を動かし、ケースの隙間から「何もない空間」に向かってちいさなお口を近づけた。そして、世界を滅ぼすバグすら平らげたそのお口で、カチリと虚無の空間を直接齧ったのだ。サクサク、サクサク。信じられないことに、あらゆる物質を消滅させるはずの恐怖の空間が、ウォルターにとってはただの冷たい氷か何かのようだった。ウォルターが小さなお口をモグモグさせて空間を齧り取るたびに、「何もない空間」のサイズがどんどん小さくなり、吸い込まれて消えていってしまう。「プニィ!?」それを見た999が驚いて声を上げ、アイポッドたちも一つ目を丸くしてウォルターを凝視した。あらゆる物質を消滅させるオブジェクトを、逆に「食べて消滅させてしまう」ウサギ。これにはアイも、ルイとイマニの双子も、全く同時に呆然と口を開けて固まってしまった。ウォルターが満足そうに最後の一口をペロリと平らげると、そこにあったはずの「何もない空間」は完全に消えてなくなり、ただの普通の安全な空気に戻っていた。「……実験、中止ね。オブジェクトがウサギに完食されました」アイは脱力してノートを閉じ、苦笑いしながらウォルターを抱き上げた。宇宙を滅ぼすバグの次は、何でも消す虚無の空間。この可愛い大食いチャンピオンの前には、どんな恐怖のアノマリーもただのデザートに過ぎないようだった。アイは足元で嬉しそうにダンスを踊る999やアイポッドたちを見つめながら、この頼もしすぎる可愛い仲間たちがいる限り、これからの財団の任務もきっと笑顔で乗り越えられるだろうと、温かい気持ちで確信するのだった。
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コメント
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うわああ、今回も最高だったよ!!😭💕 アイちゃんの真剣な実験シーンから始まるのに、まさかウォルターに虚無の空間が完食されちゃうなんて思わなかったよ!!笑ったw しかも宇宙のバグも食べたっていう過去がもうヤバすぎるでしょこのウサギ…強すぎるんだが??🐰💥 「実験中止、オブジェクトがウサギに完食されました」でアイちゃんの脱力感が伝わってきて好き!!999とアイポッドたちも一緒に見守ってる光景がほっこりするし、このチーム本当に可愛すぎるよ…✨🍊好きさんの書くSCPもの、毎回緩急のバランスが絶妙で読み終わったあと自然に笑顔になっちゃう!続き待ってます!!📚💕