静かで、暗くて、身を隠しているかのように佇んでいる建物があった。
普通のどことも変わらない建物なんだろうが、この空間にあるからか少し不気味に見えた。
なぜこんなところに来ているのかというと、ある人物に依頼されたからだ。
『人々から離れているある家へ行って、その中に居る人物と話して欲しい』__と。
どうしてオレに頼んだのかは分からないが、頼まれたからにはやるしか無いと思った。
ゆっくりと足を運びながら、建物に近づいていく。
そこまで大きくない、小さめの建物だった。
一応2階はあるみたいだ。上の階と下の階に両開きの窓がある。
濃い茶色で、少しばかり高級感が出ている。
凄く小さくしたお屋敷……とでも言ったら良いのだろうか。
ちょうどその建物の前に着いた時、深く被っていたフードを少し上にあげ、ドアをノックした。
数秒経つと、扉がゆっくりと開けられる音がする。
出てきた人物は高身長で髪の色は紫色と、水色のメッシュが入っている。
髪の毛はハーフアップで、魔術師のような服を身に纏っている。
その人物は不思議な顔をしながらオレに笑いかけた。
「ようこそ、僕の家へ」
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