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久しぶりのメンバー飲み。
終わったら阿部ちゃんから時間作って欲しいって言われてて、そろそろお開きなんだけど
なんかトイレ行った先で今スゲーめめに抱きつかれてる。
💙「なぁめめ重い」
🖤「ん〜舘さぁん…いい匂いするぅ」
💙「涼太じゃないし、それぜってー焼肉の匂いじゃん」
🖤「肉ぅ?だてさん柔らかいもんねぇ」
💙「うげ、厄介」
どうやらめめは相当酔ってて俺は今涼太と間違われて絡まれてるらしい。
でかいし重いし動けないから何とかしたいしトイレ行きたい。このままだと大人の尊厳を失ってしまう。
💚「何やってんの、大丈夫?」
背中の方から阿部ちゃんの声がした。
めめも一緒に振り返る。
💙「阿部ちゃぁん」
救世主だ、と思ったら情けない声が出た。それなのに目の前のこの泥酔男は阿部ちゃんを見るや否や
🖤「あべちゃん、おれたちつきあってるから。じゃましないで」
なんて抜かしやがった。
いやお前が付き合ってんの涼太だろ、何でしかも今名前出さないんだよ、そして俺の大人の尊厳、とか色々考えてたけど阿部ちゃんの凍りついた表情にそれらは全部飛んでいった。
💚「あ…え、そうなの」
💙「阿部ちゃん待って、勘違いして…」
🖤「そうなの、内緒にしてたけどつきあってる」
俺のか細い声はめめに被せられてかき消される。
💚「そう…ごめんね、ごゆっくり」
💙「違う、違うし阿部ちゃん俺トイレ行きたいから助けて…」
こんなに打ちひしがれた阿部ちゃんの顔を見たことがあっただろうか、と思うほど見るからに落ち込んでいる。
通り抜けざまに阿部ちゃんは『今日やっぱりナシでいい』と耳打ちすると
💚「トイレね、めめ動かせそうな人呼んでくるから」
と立ち去った。
🖤「しょっぴー、ほんとごめんなさい」
💙「危うく漏らすとこだったわ!」
お開きになって無事に涼太を支えに立つめめから謝罪を受けた。
阿部ちゃんの表情が気になってたけど、会計をしてそのまま急用だとか何とかで一足先に店を出てしまったらしい。
尚更気になる。
🖤「今度ご飯奢るから…」
💙「あー、そんなんいい、いい。じゃ!お疲れ!」
🖤「あ……」
明らかにしょんぼりするめめの顔を見るのも胸が痛かったけど、あいつは涼太が何とかしてくれるだろう。
それより阿部ちゃんが気になって、俺は何かわからない衝動のままに走り出していた。
サンダルだから思うように走れなくて苛ついた。
💙「阿部ちゃん!」
何となくで来た、よく2人で話すのに使ってた公園がドンピシャだった。
真ん中にある柵で囲われた池を見ていたので、投身でもするんじゃないかと焦って名前を呼んだ声が裏返った。
💚「翔太」
びっくりしたようにこちらを見る阿部ちゃん。よく見れば、手に握った何かを放り投げようとしている所だったらしい。
俺が目の前まで行くと、力が抜けたように腕を降ろした。
💙「どうした?なんかあった?」
💚「…翔太、めめと付き合ってたんだね」
💙「付き合ってない!あいつは俺の尊厳を奪うとこだっただけだ」
阿部ちゃんがキョトンとした。
💚「そうだったんだ」
ベンチに座って心底安堵したような阿部ちゃんに、こっちもホッとする。
💙「今日、何だった?時間作ってって言ってたの」
💚「…翔太に、これ渡したくて」
手のひらに収まるような小さな紙袋。さっき池に投げようとしていたやつだ。握られて外の袋はくしゃくしゃだった。
💙「中、見ていい?」
💚「うん」
中身は、ブルーサファイアの一粒ピアス。
💚「今日、大切な人に青いものを贈るといい日だったから」
💙「たっ…?」
そうか、だからめめが俺と付き合ってるって言った時あんな顔したのか。と妙に納得する。
💙「ありがと。俺、ほんとにめめとは何もないから。これ嬉しい」
💚「うん」
それから今日酔って厄介だった他のメンバーの話で盛り上がってその日は別れた。
もう帰り道、頭の中が阿部ちゃんでいっぱいだった。
次に会った時、俺の耳に輝く一粒ピアスを見てなぜかめめが涼太に俺も、とねだっていた。
ちらっと阿部ちゃんを見るとピアスを着けた俺を嬉しそうに見ていたので、ちょっと気が大きくなってめめにマウントをとった。
💙「大切な人に贈る日にもらったもん、もう終わったし」
🖤「えーーっ」
❤️「よし、それ関係なく買いに行こう」
何だかんだめめに内心メロメロの涼太がマウント潰しをしてきた。
そうだ、阿部ちゃんに返事しようと思って『今日終わったら時間作って』と今度は俺から声をかけた。
終
コメント
14件
なんか、💙💚な感じもする2人。水族館読んでくる。ついでにいつもトイレ行きたい翔太思い出しました💙
わ〜〜可愛い可愛い🥹💓 💚💙はもちろんなんですけど、🖤❤️が思いの外良くてキュンでした🫶やっぱり❤️さん右良きです🥹💓
ゆり組じゃなくて、🖤💚じゃなくて 好きだけど なんかモヤモヤする〜🤣🤣🤣