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「・・・確かに、話を聞く限り、私はそちらの世界には、もう居ないのでしょう」
その言葉に、すまない先生は胸が痛くなった。
強く握る拳を、エウリは優しく包み、優しく握り返してくれた。
「・・・ですが、“そちらの世界で貴方を待っている人がいるのでは?”」
その言葉に、レッドたちを思い出した。
よくサボったりするが、弟思いの優しい“ミスターレッド”。
お化けが嫌いな怖がりだが、どんな相手にも優しい“ミスターブルー”。
料理が得意で、銃の扱いに慣れている“ミスターバナナ”。
クラスで一番弱いが、仲間を傷つけた相手には容赦がない“ミスターマネー”
アスレチックなどが苦手だが、建築が得意で、みんなをあっと驚かす“ミスター銀さん”
ちょっとわがままで、手のかかるが、動物、友達思いの“赤ちゃん”
仮面の下は何を考えてるか分からないが、すまないスクールの頭脳明晰な“ミスターブラック”
他にも、色んな人が助けてくれた。
色んな人に助けられた。
すまない先生は、嗚咽をこぼす。そんなすまない先生に、エウリは優しく微笑んだ。
「・・・なら、戻ってあげてください、
その生徒たちにとって、すまない先生は“大切な生徒”なのでしょう?」
その言葉に、すまない先生は立ち上がった。
そして、そのまま歩き出した。
ふと、すまない先生は足を止め、振り返らず、エウリに向かって口を開いた。
「・・・ありがとう、エウリ・・・“またね”」
その言葉に、エウリは一瞬目を丸くし、微笑んだ。
「・・・はい・・・“また会いましょう”」
その言葉に、すまない先生は振り返りたい衝動を抑え、走り出した。
✵✵✵✵✵✵
【さーて、どうしようかなぁ、この子達】
彼女はうーんと首をかしげ、髪から切り離され、影へと変化したモノに縛られたブラック達を見ていた。
ブラック達は、何も出来ずに歯を食いしばる。
【そーだわ!なら、人間が一番見たくない記憶を“永遠”に流し続けたら、人間はどうなるのか気になるのよね!試してみようかしら!】
と、彼女はブラックに近寄った。
ブラックは思い出したくも無い過去が頭に過ぎる。
──母が亡くなった日のこと。
──父に殴られたこと。
──クラスメイトに虐められたこと。
──家が火事になり、父が死んだこと。
あれを“永遠”見せられたら、精神が壊れかねない。
だが、拘束され、身動きが取れない。
なのに、彼女は平然と近づき、手を伸ばしてくる。
ブラックは思わず、目を強くつぶった。
✵✵✵✵✵
「すまなぁあああああああいっ!!」
突然その声と共に、伸ばされた“彼女の片腕”が宙を舞った。
ブラックたちは言葉を失った。
目の前には、灰色の髪に、一部だけ水色の髪。英雄の服に身を包み、草薙剣を構えた“男性”が。
ブラックは、震える声でこぼした。
「・・・せんせい」
──目の前には、すまない先生が立っていた。