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ドームの入口に立っていたのは、同じくらいの年の少年だった。
黒い髪に、少し眠そうな目。
手のひらには、淡く光る二つの属性のエネルギー。
「新人か」
少年はゆっくり歩いてくる。
陽葵は慌てて立ち上がった。
「え、えっと! はじめまして!」
「……元気だな」
「よく言われます!」
少年は陽葵をじっと見ている。
「君が三属性?」
「らしいです!」
「“らしい”って」
「私もまだよくわかってなくて!」
少年は少しだけ笑った。
ほんの少しだけ。
「面白い人だね」
その時、横にいた男が言う。
「紹介しておこう」
「彼は――」
一拍。
「入学予定の生徒だ」
陽葵の目が丸くなる。
「え!? 同じ学校!?」
「そうなる」
少年は肩をすくめる。
「まあ、たぶん」
そして手を差し出した。
「俺、蒼井蓮(あおい れん)」
「二属性」
「よろしく」
陽葵はぱっと笑う。
勢いよく手を握る。
「朝比奈陽葵です!」
「三属性!」
「よろしくお願いします!」
元気すぎる握手に、蓮が少し驚く。
「……ほんと元気」
少し沈黙。
陽葵は興味津々で聞く。
「ねえねえ! 二属性ってどんな感じ!?」
「どんな感じ?」
「かっこいいですか!?」
「知らないよ」
淡々と返す。
でも嫌そうではない。
「陽葵は?」
「私は昨日まで普通の中学生!」
「それは知ってる」
「え?」
「ニュースになってた」
陽葵が固まる。
「……まじですか」
「まじ」
蓮は少しだけ真面目な顔になる。
「でもさ」
「うん?」
「無茶するタイプでしょ」
図星。
「……ちょっとだけ」
「三日倒れた人が言う?」
「うっ」
言い返せない。
でも。
蓮はふっと笑う。
「まあいい」
「同級生なら、そのうち組むこともあるだろうし」
「え!?」
「学園はチーム訓練多いから」
陽葵の目がキラキラする。
「じゃあ友達ですね!」
「早い」
「だって初めて会った能力者だし!」
蓮は少し考えてから言う。
「……じゃあ、まあ」
「友達でいいよ」
その瞬間。
陽葵の顔がぱっと明るくなる。
「やったー!」
その様子を、男は静かに見ていた。
(なるほど)
三属性の力。
そしてこの性格。
(この子は――)
人を集める
そんな力も持っているのかもしれない。