18時になり、入部して初めての部活を終えた。
「凪も自転車?」
「うん、自転車」
「どっち方面?あっち?」
「ううん、こっち側」
「え!!じゃあ俺と同じ!?」
「よかったじゃん滝原、これからはひとりじゃないね」
瑠衣ちゃんが自転車を押しながら後ろから言った。
「ひとり?」
「俺以外な、1年生もみんな学校出て右やねん。だからずっと一人で帰ってたんよおー」
「すごい、そんなことあるんだ、、」
「そうやねん、一緒に帰れる人できて嬉しいわほんま」
なんだか、本当にいい人そうだな、滝原くん。
「ばいばーい」「また明日」「じゃあね」
瑠衣ちゃん日高くん皆川くんが手を振って右へ走って行った。
「どうやった?部活」
「あ、すごい楽しかったよ、みんなのおかげで」
「そっか、ならよかったわ」
滝原くんは優しく笑った。
「あの、、滝原くんって関西出身、?なの?」
「あそうそう、中学卒業して大阪からこっち引っ越して来てん」
「あ、そうなんだ」
「引っ越し人間としては俺の方が先輩ってことやな」
「なにそれ、、」
私は、軽くははっと笑った。
「あ、俺勝手に凪って呼び捨てしてるけど、、よかった?」
「え、うん、全然」
「ならいいんやけど、、藍斗にさ、いきなり呼び捨てはちょっと馴れ馴れしいんちゃうかって言われたからさ」
小中のときからさん付けで呼ばれることが多く、ちゃん付けとか、野仲とか凪とか、そんな風に呼ばれたいと心の中ではずっと思っていた。
「むしろ、、全然呼んでほしい」
「ほんま?じゃあ凪って呼ぶな」
南奈ちゃんに凪と呼んでもらえたときの嬉しさが蘇った。
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