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こんなにも生徒に愛されてる先生って……
見た目だけじゃなく、きっと性格も良いんだろう。
「だからさ、もし双葉ちゃんに彼氏がいないなら、ぜひどうだい?」
「……あ、ありがとうございます。確かに今は彼氏がいないので、恋愛はしたいと思ってます。だけど、涼平先生の気持ちが1番大事ですから。きっと私みたいな女には興味がないと思います」
また、ネガティブ発言してる。
こういうところ、いつまでも経っても成長しない。
「何言ってるの! あなたみたいな可愛い人なかなかいないわ」
「そうだよ、もっと自信持ちなよ。前にレッスンに来てた女の子がね、涼平先生を好きになってさ。私、告白したのをたまたま目撃したんだけど、涼平先生は断ったんだよ。だけど、あなたなら絶対大丈夫だと思うわ」
「絶対大丈夫」って、嬉しいけど何を根拠に……
「私も見たわよ。涼平先生は大人気だから、色んな人に言い寄られてるのよね~。それこそ年齢関係なくね。だけど私達4人組はね、涼平先生にキチンとお勧めできる女性を探してたの」
「皆さん、ありがとうございます。お気持ちはとても嬉しいです。こんな私に……申し訳ない気がしてます。でも、やっぱり、涼平先生は今日始めて会ったばかりの男性ですし、どんな人なのかもまだ全然知らないですから。彼氏とか彼女とか言われても、ピンとこなくて」
「こんな謙虚な人いるんだね~。ますます気に入ったよ。私達は全力であなたを推薦するからね」
「えっ、あ、あの……」
「双葉ちゃんなら大賛成~」
「私も賛成します」
「あなたしかいないわ。可愛くて性格良さそうだし。決まりね」
お姉様達もかなり強引。
私はもう、この状況を苦笑いでやり過ごすしかなかった。
だけど、たくさんの笑いに包まれて、私の心は穏やかだった。
着替えを済ませて1人で受付に向かうと、涼平先生が立っていた。つい、あの時の理仁さんを思い浮かべてしまう。
理仁さん、本当に素敵だった……
もう会うことはない人なのに、いつまでも頭に浮かぶなんて、私って未練タラタラな女なの?
「今日はどうでしたか?」
「はい、すごく充実してました。できればこのまま続けたいと思います」
「それは良かったです。あの……さっき、生徒さん達に何か言われましたか?」
「えっ? あ、あの、えっと……」
「あの方達、僕のことを色々心配してくれて」
「皆さん、素敵な方ですよね。涼平先生を大切に思ってらっしゃるのがよくわかりました。でも安心してくださいね、先生を困らせるようなこと、私は言いませんから」
「あ……」
「どうかされましたか?」
「いや、その……困らせるようなことはしないって……それは、僕の彼女になるのは嫌だってことですか?」
あまりにもはっきりとした質問にどう答えればいいのか悩んだ。
「嫌っていうか、その、私は涼平先生に今日初めてお会いしてるので、彼女とか、そんな……えっと……」
「僕は初めてじゃないですよ」