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#山中柔太朗
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時期なので書いてみました…!
子どもの無邪気さは恐ろしい。
朝の静かな小児科病棟。
朝診までのわずかな空き時間を使って、勇斗と仁人は子どもたちのためにハロウィンの飾り付けに精を出していた。
「よし、かぼちゃのガーランドはこれでオッケーっと!」
勇斗が脚立を降りて満足げに腕を組む横で、仁人はそこそこ脚の長い丸椅子の上に立ち、壁の高い位置に手作りのコウモリやオバケのペーパークラフトをテープで貼っていた。
「仁人、足元気をつけて。その椅子、座面が高いからグラつくぞ」
「分かってるよ——あっ」
調子に乗って背伸びをした瞬間、椅子の足がカツンと滑り、仁人の体が大きく傾いた。
「わっ……!?」
バランスを完全に崩し、視界がぐるりと回る。
床へ叩きつけられる衝撃を覚悟して思わず目を瞑った仁人だったが——訪れたのは固い床の痛みではなく、自分をしっかりと受け止める温かく力強い腕の感覚だった。
「っとお! あぶねぇ……! 言わんこっちゃないだろ、仁ちゃん!」
ふわりと浮遊感が走り、仁人が恐る恐る目を開けると、そこには眉間にはシワを寄せた顔で自分を見下ろす勇斗の顔があった。
膝裏と背中に回された勇斗の腕。
仁人の体は、完全に勇斗の腕の中にすっぽりと収まっている。
いわゆる、お姫様抱っこ。
「!? は、勇斗……っ!? ありがたいんだけどっ、一刻も早く降ろして!!」
瞬時に状況を理解した仁人の顔が、耳の先まで真っ赤に染まる。
「えー? 降ろしたらまたバランス崩すだろ? ちゃんと抱えててやるって!」
「いいから!!降ろして!!」
からかうようにニカッと笑う勇斗。
その時、プレイルームの影から飾り付けを眺めていた子どもたちが一斉にキャアキャアと歓声をあげた。
「あーっ!! はやと先生が、じんと先生をお姫さまだっこしてるー!!」
「じんと先生、お姫さまみたーい!!」
「じゃあ、はやと先生王子様だ!!」
子どもたちの純粋で容赦のないはやし立てに、仁人は絶句した。
「ち、違うから!不可抗力! 早く降ろせ! 子どもたちが変な勘違いしちゃうから!」
仁人は勇斗の胸元をぽんぽんと叩いて暴れるが、勇斗は全く意に介さず、子どもたちに向かってニヤニヤと胸を張ってみせた。
「だろー? じんと姫はちょっとドジなお姫様だからな! みんな、内緒にしておいてくれよ〜?」
「「「はーい!!」」」
真っ赤になって勇斗の肩に顔をうずめる仁人と、そんな仁人を抱え直して大爆笑する勇斗。
賑やかな小児科病棟の朝に、子どもたちの楽しそうな笑い声が可愛らしく響き渡っていた。
コメント
3件
とっても素敵です👏 やっぱり良いですねはやちゃんにからかわられているじんちゃんとても尊いです💕︎ それと子供達の純粋さがとても鋭くてじんちゃんが不憫でとてもとても可愛いくて素敵です✨️ 書いてくださってありがとうございます😊
小児科の朝にハロウィン飾り付けってだけで既に可愛いのに、仁人先生がまさかのドジってお姫様抱っこ…! 子ども達の「お姫さまみたいー!」の無邪気なはやし立てが容赦なくて笑った。「じんと姫」って呼び名も最高だし、真っ赤になって暴れる仁人とニヤニヤ胸張る勇斗の温度差が最高でした。ハロウィンらしい可愛い1話、ありがとうございます!