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#タヨキミ

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#タヨキミ

19 - 第19話 恵まれて

♥

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2024年03月12日

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今週2話分更新するからなあああああああ!!(気合い)

どうもまつりさんです!

最近、常連さんの長文コメント見れてなくて瀕死です。みんな、ぜひ感想でもコメントしてね、、!

読んでるなら面白いでもつまらないでも、一言でもいいから言ってけよ!とムキになってます。


雑談のネタ、ナッシング。我に字数の恵みを、、


今回、言葉が少し乱暴です。病んでるときに読むと変に加速するかもなんで、晴れやかな気分のときに見ましょう。


イッテラッシャイッッッッ











俺は生まれつき、恵まれていた。

家族は優しくて、いつも、美味しい料理をお腹いっぱい食わせてくれる。

人間離れした肉体、強すぎる腕力も生まれつき。

教科書に書かれている内容は一目で理解。

顔面は整っていて、性格も控えめ。

学校では金持ちの息子に囲まれ、美女もたくさん寄ってくる。

能力も、日本の将来を担えるような、有力なものだった。


普通に育っていたら、国のお偉いにでもなれたんじゃないか………そのくらい恵まれていたらしい。


そんな俺には、双子の弟がいた。



弟はいつも、笑っていた。

飯が不味くても、頭が悪くても、友達がいなくても、モテなくても、能力が弱くても。

虐められても、殺されかけても、

ずっとずっと、へらへら笑っていた。



ひねくれた家庭だった。

並べられた夕食には、圧倒的な差がある。

夕食だけじゃない。服にも、寝床にも、そして親からの態度にも。

親は、才能がある俺にはじゅうぶんなほどの金をつぎ込み、才能がない弟を金儲けの道具として利用しようとしていた。

育てられた環境が違えば当然、見た目や性格も変わってくる。弟はずっと、悪質ないじめを受けていた。



俺は、弟が好きだ。

そんな俺を両親は、叱った。


「お前には才能があるんだ。ヒトネを助けようとするな、ヒトネもお前のことが嫌いだ」


嘘だ。ヒトネは、俺のことが大好きだと言った。


「兄さんはすごいよ。何をしても完璧だもの、僕の自慢だ」


その笑顔は純粋で、皮肉は感じられなかった。

ヒトネは、良い奴なんだ。両親が思ってるより、何十倍も、何百倍も。


ただヒトネは、少し狂っていた。

一番驚いたのは、クラスメイトに、牛乳をかけられたとき。

クスクス笑っている奴らを見て、ヒトネは、顔を明るくしたのだ。


「そんなに楽しいんだ、みんなの役に立てて嬉しいよ」


兄の俺でさえ引くほど、楽しそうな笑顔だった。

どこで曲がったのだろうか、殴られても罵倒されても、ヒトネは言い続けた。

「みんなが楽しいって思ってくれてるなら、僕も楽しい」と。



そんな日々を送ること、数年。

ある日を境にヒトネは、それを言わなくなった。

何があったのかは、知らない。ヒトネはポジティブ思考を捨て、かわりに、よく泣くようになった。

クラスメイトはそれを面白がり、いじめはヒートアップ。

ある日の夜、俺が親に黙ってヒトネの部屋にいると、ヒトネが突然泣き出した。

「おい、大丈夫か……?」

「兄さん、僕………学校、いやだ。行きたくない」

俺が初めて聞いた、ヒトネの本音だった。


そうだ。冷静に考えて、学校なんていやに決まっている。

俺はヒトネの手を取って、「家出するぞ」と窓を開ける。

「え……?そんな、いいの?」

「子供を苦しめる家庭が、いいはずあるかよ。ヒトネが苦しんでたこと、今まで気付かなくてごめん。ずっと笑顔でいれるところ、一緒に探そう」

親が丁寧に育ててくれたおかげで、俺の思考は、至って普通だったと思う。

ヒトネは少し嬉しそうに微笑んで、頷いた。



俺たちは逃げた。追っ手がこないよう、遠くへ。

俺は腕、ヒトネは脚。異常なほどの運動神経を駆使し、いろんな奴から金を盗んだ。

その金で電車に乗り、十数個の県をまたいで。

食べ物を買ったり、ゲームセンターに行ったり。

毎日不便な生活を送っていたヒトネの生命力は凄まじく、俺も親からの教育のおかげで、生活は余裕だった。

家はない。だから暗くなったら、ベンチで寝る。たまに銭湯にも行けた。

幸せだった。裕福なくらしはできないけど、じゅうぶんすぎるほどに。


そんなある日。

二人きりでいるのをいつも見ていた銭湯のオーナーが、俺たちのことを警察に連絡した。

俺たちは家出してきたことを話し、施設に引き取られることになった。


「まったく。こんな幼い子供二人が、二人だけで生活していただなんて……すごいな」


警察は、そうため息をついていた。

施設に案内されたとき、ヒトネは悲しそうな表情で、俺に訊いた。

「ねえトオン。僕らはもう、自由に遊ぶことができないの?」

二人きりで生活しているうちに距離は縮まり、ヒトネは、俺のことを「トオン」と呼ぶようになった。

「そうだな。できないと思う」

俺も、少し寂しかった。

でも、ヒトネの将来のことを考えたら、これが正解だ。そう思っていた。

警察が施設の職員に「お願いします」と俺たちを引き渡す。


するとその時、背後からカチャッと音が聞こえた。

親から習った。たぶん、拳銃の音だった。

振り向くと、背の高い男がニコニコしながら、拳銃を警察の頭に当てていた。


「………俺、こいつらの親なんですけど~。返してもらえますかねぇ」


男はそう言いながら、吸っていた煙草を警察官の耳に擦り付ける。

それを見た施設職員が、慌てて俺たち二人を差し出す。

「え、知らない人なんですけど……」

そんな声も虚しく、男はにっこり笑うと、俺たちの手を引いてその場を離れた。



「え、マジで誰すか……ていうか、未成年ですよね」

「ん?あぁ、俺はルナだ。もうすぐ15だな、どうかしたか?」

「いや。ところで、どこに向かっているんですか?」

「………キビアイって犯罪組織のアジトだ。人は殺し放題、部下は使い放題、金も増やし放題の良い職場。お前らにぴったりだな」

平然と未成年喫煙、拳銃所持、挙げ句の果てに犯罪組織。

関わってはいけない……そう感じた。


「………嫌、だ」


俺はヒトネの手を握って、ルナにそう伝えた。

「は?」

「だから、嫌だって言ってるだろ。入りたくない」

ルナはきょとんとして、苦笑をもらす

「いや、俺ぁって嫌だよ。犯罪組織の人数集めのためにこき使われてんだから。何が悲しくて、お前らみたいな餓鬼、連れて帰んなきゃいけねえんだって話だ」

「お前も餓鬼だろ」

俺は怯まなかった。そんな俺に、ルナは笑いながら言い放つ。

「そーか、なら死ね」

「意味がわからない」

「どーせあれだろ、親とかに嫌なことされたんだろ?そんなら大人たちに、自分らがどれだけバカなことをしたのか、わかってもらわなきゃいけねえだろぉが。それが出来ない餓鬼に存在価値なんてねえよ。苦しみながら生きるくらいなら、腹切って死んだほうが幸せだ」

ルナは「わからないかねぇ」と、こちらを振り向いた。

「まあ、入るも入らないも知らねえよ。けど俺はお前らを殺さなくちゃ、名前教えちまったしな。死にたくなけりゃあ入れ、死んだほうがマシなら死ね」

自分で名前暴露しておいて、入らなかったら殺すとか、理不尽だ。

でも、死ぬのは嫌だ。ヒトネにも死んでほしくない。

そしてルナは、きっと、俺たちより強い。まともに戦って、勝つのは無理だ。


「………わかった、入る」

単純な話、俺がヒトネを守ればいい。


そのときは、そう思っていた。










「──死にたく、ないんだ。ヒトネを、生かしてやりたいんだ」

トオンはタヨキミメンバーを遠い目で眺め、珍しく大きな声で叫んだ。


「だからお願いだ、死んでくれ………!!」



そんなトオンに向かって、ソーユが叫び返す。


「一回落ち着いて!救ってあげるから、助けてあげるから!弟のヒトネくんといっしょに……」

説得しようと動くソーユ。

そのとき、ソーユの言葉を遮って、カナタが怒鳴った。


「死んでくれじゃねえよ!フザけてんのか、なんでカナタたちがお前のために死ななきゃいけないわけ!?弟の幸せくらい、テメェでどうにかしろよ!兄貴ってそういうモンだろーが!!」


「ちょっ……カナちゃん!?」

「ソーユも、なに甘やかしてんの。未成年とは言え、アイツらがやってることは犯罪……売られた喧嘩だ、全力で買ってやるよ。ボコボコにしたついでに、養ってやらんこともない」

カナタはどこからか長い剣を出し、それを飛ばす。

「………そうか」

飛んできた剣を片手でへし折って、トオンは近くにいたセツナの元へ歩く。

そして怯えて動けないセツナの腹に、躊躇なく拳を入れた。

「……!」

ユカリが動くが、もう片方の手で顔を殴られる。

「セツナちゃん、ユカリちゃん………!」

チェリーが倒れた二人にかけより、トオンを睨んだ。

そんなチェリーを無視し、トオンはソーユの方向へ歩いていく。


(え、マジ?ぼく、頭脳担当なんだけど………)

ツキミのことは嫌いだが、残念なことに、体力や武術では敵わない。

そんなツキミの骨を折った相手に、勝てるのか……ソーユは一歩さがって、考えた。

(……落ち着け、折られるような立ち回りをしなければいい。ツキミさんがやられたのは、あいつが油断してたからだ。トオンの手に気をつけて、こめかみを殴れば気絶するはず……!)

そうだ、気合いだ!……らしくない方法で自信を取り戻しトオンを見ると、怖い顔で近づいてくる。

「うぅ……やっぱムリだよぉおお!!」

ソーユは半泣きで、水を飛ばした。

するとそのとき。ソーユの水にあわせて、カナタの剣が飛んできた。

トオンは咄嗟のことに反応が遅れ、かすった髪が少し切れる。

「ソーユ先輩、叫ぶな!」

バランスを崩したトオンに、リオが背後から切りかかった。

それと同時に、カナタが下からの剣で逃げ道をなくす。

トオンは一瞬苦しそうな顔をしたが、すぐに振り替えってリオの剣を折って、リオを蹴って距離をとる。

「……そっか。トオンはほぼ勢いで動いてるから、多方面から集中攻撃すれば!」

ソーユの案に、カナタが「いーね、それ!」と反応した。

「ん~……いい案だけど、狭い範囲でみんなが一気に攻撃を放つのは危険。トオンも危ないし、おれたちも危ないだろ」

「アキト……まあ、正しいね」

ソーユはしょぼんとする。

「そしてカナタ!タヨキミはキビアイメンバーを救うためにあるんだ、買ってどうするんだよ。喧嘩っ早いとこ、いい加減なおせ……トオンを傷付けるんじゃねえよ」

「はいはい、ごめんなさい………でも、そうしないと全滅だよ」

カナタは不機嫌そうに目を細めて、アキトを見た。

「……まぁ、最年長に任せとけって」

アキトは笑うと、ゆっくりとトオンに近づく。

「え……アキト、戦えるの!?いつもデスクワークばかりしてるくせに?」

ソーユは驚いた。他のメンバーも、静かにアキトを見守る。

トオンは、相変わらず怯まなかった。

手の届くくらいまで二人の距離が縮み、トオンは不快そうに訊く。

「………なんだ、お前」

「なんだとはなんだ。アキトっていいます、よろしく」

アキトは苦笑しながら、トオンの肩に手を置いた。

(呑気に自己紹介したかと思ったら、今度は肩に手を……まぁ、ある意味アキトらしいけど)

ソーユは、先が不安になる。

すると、同じく不思議そうな顔のトオンに向かって、アキトは微笑んだ。


「おれの、勝ちだね」


と、そのとき。

トオンが突然、膝から崩れ落ちた。

アキトはそんなトオンを抱えあげて、ピースをする。

「いぇーい、救出成功」

能天気に笑うアキトに、その場の空気が一気に緩む。


「アキト、何やったの?」

「ああ、話してなかったっけ……おれの能力だよ。触った相手の力を強制的に抜くことができるんだ」

「はぁ~!?そんなに強い能力があるなら、先に言ってよ!!」

嬉しそうにアキトに飛び付くソーユ。

「……セツナちゃんもユカリちゃんも、大丈夫そうだよ」

チェリーの言葉に頷き、アキトはアジトのドアを見て、ため息をついた。

「新しいアジト貰うか……どうしよ」

「ドアだけつくってもらおうよ!このアジト気に入ってるから、離れたくないし……」

ソーユはアキトに話しかけながら、ふと入り口のほうを見る。

「……え」

「あっ」

人影が見えた。何なら今、「え」と言った。

「誰………?」

ソーユの声に、みんなドアのほうをいっせいに振り向く。

諦めたのか、その人影は、ゆっくりと姿を見せる。


「ヒトネ、くん……?」


ユカリが訊くと、ヒトネは頷いた。

その場の空気が一気に沈み、みんなは、ヒトネの一言目を待つ。


「……トオンを、返してください」


ヒトネは震えながら、殺意のこもった目でアキトを見た。

(マジか、反抗してくんのね……!?)

みんなが構えた、その瞬間。


「トオンの前に、イヌイを返してくださ~い」


ヒトネの後ろから現れたハルカに、カナタが声をあげる。

「ハルカ………」

「え、カナタ?」

カナタを見た瞬間、ハルカは目の色を変えた。

真顔のままカナタの元へ走り、カナタを押し倒して上に乗る。


「久し振りだねぇ、カナタ♡ 会いたかったよぉ~」

「おい乗るな、このバカが!」


ハルカはカナタを無視し、ニヤニヤ笑ったまま、カナタの顔面を殴った。

「っ……!」

そのままハルカは、拳をどんどんカナタの顔面に打ち込む。


「カナタ先輩!!」

リオの声が高く、また遠く、夜空に響きわたった。






続く
















ごんにぢあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!

過去ルナ可愛いですね。

そして15歳の拳銃もった少年にやすやすと子供を渡してしまう施設の職員、ゴミですね。

トオンくん回となりました。双子は俺の心を最初にブチ抜いたキャラで、設定がかなりちゃんとしています。上層部は設定がもうヤバい、千切りキャベツ並みです。。

言いたいことが多すぎるので、何も言いません。コメント欄で代弁してください。

じゃあまた!続きは今週中に、必ず出すから!





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