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彩音記憶喪失だってよ。
(病院・白い天井。消毒液の匂いが漂う)
医者「意識が戻りましたか? 彩音さん」
彩音「……ここ、どこ?」
医者「事故に遭われたんですよ。奇跡的に命は助かりました」
(医者がカルテを閉じる)
医者「ご家族か友人の方が、ずっと付き添っていました」
(ドアが開く音。銀時が入ってくる)
銀時「……やっと目ぇ覚ましたか」
彩音「……あなたは?」
(銀時、一瞬固まる。笑ってごまかそうとするが、声が震えている)
銀時「……俺か? 俺は――ただの知り合いだよ」
(その笑顔が痛いほど優しい)
(数日後・退院した彩音。万事屋前)
神楽「これが彩音の帰る場所アル!」
新八「ここが万事屋銀ちゃんの事務所ですよ!」
彩音「……ありがとう。でも……なんだか変な感じ。
ここに来たことがあるような……でも思い出せないの」
(銀時は黙って中に招き入れる)
銀時「ま、焦んな。お前のペースで思い出しゃいいさ」
(万事屋のリビング)
神楽「見ろアル! これ彩音の私物だぞ!」
(彩音の机には写真立て。みんなで団子食ってる笑顔の写真)
彩音「……これ……わたし?」
新八「そうです! ずっと一緒にバカやってたんですよ!」
彩音「……ほんとに?」
(銀時は静かにいちご牛乳をすする。微笑むけど目は笑っていない)
夜。彩音はベランダで月を見上げている。
彩音(独白)「この空も、この街も、懐かしいのに……何一つわからない。
なのに、あの人の顔だけ……どうしてこんなに胸が痛むんだろう」
(小さく涙がこぼれる)
(翌朝)
神楽「銀ちゃん! 彩音いないアル!!」
新八「部屋に置き手紙が! “迷惑かけたくない”って……!」
(銀時、拳を握りしめる)
銀時「……バカヤロー……」
(場面:街中・真選組屯所)
銀時「なぁ彩音、見てねぇか?」
土方「あぁ? 彩音? ……いや、聞いてねぇな」
近藤「なに!? 彩音君が行方不明!? そ、それは大事件じゃないか!!!」
沖田「へぇ〜記憶喪失ねェ。今がチャンスでさァ旦那。いっそ“結婚してた”って吹き込めば?」
銀時「やめろォォ!! そんなことしたら余計に人間不信になるわ!」
(真選組が捜索を開始する)
(路地裏・彩音が一人で歩く)
彩音「どこに行けばいいんだろ……」
(そこへ声をかける男)
桂「迷子かい? それとも――記憶をなくした革命の志士かな?」
彩音「……あなたは?」
桂「私は桂。だが世間では“ヅラ”と呼ばれている」
彩音「……ヅラ?」
桂「ヅラじゃない桂だ!」
(そこへエリザベスが「(迷ってる子に無駄話すんな)」のボードを出す)
桂「ぐぬぬ……」
(彩音は小さく笑う)
桂(内心)「……今、笑ったな。やはり“あの彩音”の面影は消えていない……」
(夜・銀時と真選組が合流)
土方「桂が目撃したって? やっぱ街にいるんだな」
銀時「あぁ。だが、もう時間がねぇ……」
沖田「なんでっすか?」
銀時「この街、今夜“火薬の取引”があるって情報が入ってんだ。
……アイツ、巻き込まれる可能性がある」
(空気が一気に張り詰める)
(場面:倉庫街・取引現場)
(爆音。彩音が偶然通りかかる)
彩音「なに……これ……?」
(銃声、叫び声。真選組突入)
土方「総員突撃ぃぃぃ!!」
(銀時が煙の中から飛び出す)
銀時「彩音ッ!!」
(爆発。彩音の目の前で銀時が庇って倒れる)
彩音「――っ!銀時さん!!!」
(銀時の声がかすれる)
銀時「おい……泣くなよ……お前の泣き顔、嫌いじゃねぇけど……似合わねぇ……」
彩音「どうして……どうしてそこまでして……!」
銀時「決まってんだろ……お前は……オレの仲間だ……」
(その瞬間、彩音の脳裏に映像が溢れる)
──団子を食べる神楽、それにツッコむ新八、笑って寝る銀時。
──そして、“楽しい日常”。
彩音「……っ! 思い出した……!!」
(涙をこぼしながら銀時を抱きしめる)
彩音「なんで……なんでお前らのこと、忘れちまってたのかな……!」
(銀時、微笑む)
銀時「……いいじゃねぇか。思い出せたなら、それで十分だろ」
(火の粉が舞い上がる。遠くで新八と神楽の泣き声が響く)
(エピローグ)
(万事屋の朝。彩音が団子を配る)
神楽「おかえりアル、彩音!」
新八「もうどこにも行かないでくださいよ!」
彩音「……うん。もう絶対に忘れない」
(銀時が新聞を読みながら一言)
銀時「……忘れてもいいさ。ただし、オレらの分の団子は忘れんなよ」
彩音「……もう、銀時のバカ…」
(みんな笑う)
(ナレーション/銀時)
「人は忘れる。でも、忘れたくないもんだけは、ちゃんと心に刻まれてんだ。
たとえ記憶がなくなっても、魂が覚えてりゃ、それで十分だろ。」
銀さんいいこといいますねェ✌︎(‘ω’)✌︎