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今日も今日とて家事をして昼過ぎには畑仕事をする。畑仕事はそこまで大変な作業ではない主に収穫が私の仕事だ。畑を耕したり、種を植えたり、水をあげたりするのは私以外のロボットがやっている。
「白玉…お疲れ様です」
ペコリ…
畑仕事用のロボット名前は白玉。全体の色が白いのでそう名付けたようだ。(博士のネーミングセンスは死んでいる)畑仕事用のロボットは人型よりの姿をしているが私ほど人よりではない。足は前輪で顔のあたりは目が一つ…見た目ではっきりとロボットとわかる。…どちらかと言うと私の方がロボットに見えない。怪我をして中身を見ることがない限り…ロボットとわからないほど精密だ。ロボットは話すことはできないが知能はある。簡単なことなら言葉を認識しプログラムに則って動く。私自身は他とは違い自分の意志があるように思える。ロボットなのにロボットらしくない…
終わったら、今日は門の方も掃除をする。大きな家に大きな畑が二つ、大きな塀や小さな研究室に広い庭などがあるこの広い敷地には勿論入口の門がある。門は扉が開かないように鍵を付け軽トラックや荷台に石などの壁を作り封じている。向こう側から開けることはできない、壊すこともできないようになっている。安全のようで檻のようにも見える場所。
長く置いているので汚れたり、雨で腐りそうになっている。
雑巾やほうきを使い綺麗にしていく。雑草も脱いていく、カビが生えていたら除去していく…
わぁあぁ…がぁぁぁ…ぐわぁぁぁぁ…
門の近くからは声がする。塀の方も近づけば声がするがここが一番声がする。掃除の合間にトラックの上に乗り外を見る。
外には動いているものがいっぱいいる。小さいものから大きなものまで…
彼らは叫びながら歩いている。誰も私の存在には気がつかない。認識できないからだろう。見た目なのか…匂いなのか…体温なのか…わからない。彼らがなぜそうなったのかわからない。謎ばかりの世界だ。
つい…そちらの世界へと踏み出していた。向こうへと足を動かしていた。門へと足を…
「マリー…ドラマ始まるよ~」
「………はい」
博士の声が遠くからした。その声と共にトラックから降りて片付けをする。私は…無意識に動いていた。よく分からない。故障しているのかもしれない。
私は片付けて家に戻る。
この時間、家でドラマを見る。これは私も気に入っている。家政婦が謎を解決してく話だ。ときどき家事のコツがのっているとで便利な番組だと思う。お菓子とお茶を用意して博士と一緒に謎解きをしながら見る。
「絶対にあの人怪しいよね」
「そうですね」
「まさかこうくるとは…」
「以外ですね」
「おもしろかった」
「そうですね」
他愛のない話をした後…
「なんか映画でも観る?」
「いいですよ…何を見ます」
「アニメ~」
「わかりました」
DVDを置いている棚に行くそこからアニメを取り出し…
「これはどうですか」
「それ昨日見た」
「こちらは…」
「あきた」
「では…」
「アクション系がいい」
「これ…」
「それもちょっと」
「……!」
「どうしたの…」
「博士…未読の映画がありません」
「まじか」
博士に提示した映画は見飽きるほど見てきた。在庫はもうない。ならば…
「博士買い物に行きましょう」
「却下」
瞬時に答えた。
「もう見れる映画がありません」
「外に行きたくない」
「お菓子も残り少ないですよ」
「それは一大事」
「ならば行きましょう」
「でも…」
「我儘言わないでください」
「我慢する」
「お菓子食べずに過ごせますか」
「むり…」
「生活用品も買わねばなりません」
「むぅ…」
わがまま…
「ビビりですか」
「ひびってない」
むぅ…としている。
「ケチですか」
「ケチです」
そこは否定しないのかよ。
「馬鹿ですか」
「拙者は馬鹿ではない」
いや、馬鹿だろう。食料問題の今、動かないのは馬鹿だろう。
「…怖いんですか」
「怖い」
と言いながらそっぽ向いた。この人にとってはそんな存在なのだろう。
「博士私は離れませんよ」
「うん…」
「博士…」
「どうしても…」
「はい…どうしても博士と一緒に出かけたいです」
「て…」
「はい」
「手を…」
「はい」
「…繋いでくれる」
「はい」
私は博士の頭を撫でながら答える。これが効果的なのかは分からない。でも…感動系のアニメやドラマではよくこれをやっているのを目にする。やってもらった者たちは喜んでいた。このやり方しかわからない。でも…
「仕方がないな…博士がついて行ってあげよう」
仕方がないと笑いながら答えた。合っているのだろうか。
「はい…ありがとうございます」
私が博士にこうするのは安心する。
「博士ちゃんと朝起きてくださいよ」
「むり…起こして」
「無理です…努力してください」
「むぅ…」
「面倒なので拗ねないでください」
「面倒くさがらないで」
博士はそっぽ向いていた状態から私の方に倒れてきた。転がるようにそのまま膝枕をした。
「マリー」
「なんですか」
「かたい」
「素材が硬いですから」
「柔らかくしたかったな」
「いやです」
「なんで」
「柔らかくしたらこの状態が続くからです」
「だめ…」
「だめです」
「ちぇ…」
口をとがらせてムッとしている。この顔は拗ねた子供のようだ。こんな人を相手にするのはめんどくさいが可愛らしいとは思う。
明日、博士とお出かけ。買い物メモを作っておかねば。買い忘れをしてしまったら、諦めるしかない。博士は早く帰りたがってしまう。次に買うことができるのはいつになるかわからない。なので、絶対に忘れを無いようににしなければ。
私はもっと博士とお出かけしたい…ですけどね。