コメント
2件
この小説一番すきです😭
深澤「ん…」
目を覚まして時計を見ると、もうすぐ11時になる頃だった。
自身でもよく眠るなあ、と思いながらベットを下りると、スマホから通知が鳴った。
深澤「阿部だ」
今から家に来てもいいか、というメールだった。
今日は暇だから いいよ。 と返信する。
少し経つと、インターホンが鳴った。
深澤「いらっしゃい」
阿部「ん、もしかして今起きた?」
深澤「さっきね」
阿部「ごめん」
阿部「どうしても暇で」
深澤「俺も今日は暇」
んー、と何か考えるような顔をした阿部が、急に大きな声を出して口を開く。
阿部「そうだ!!ふっかピアノ弾いてみてよ」
深澤「え?」
深澤「いいけど今ピアノの音おかしいから」
阿部「いいよ。何気初めて聞くし楽しみ」
深澤「そうだっけ」
深澤「来て来て」
阿部「うわあ、大きいね」
深澤「でしょ〜」
阿部「でもちょっと古い?」
阿部「買い換えないの?」
深澤「このピアノ、おばあちゃんが大切に使ってたピアノなんだ」
深澤「亡くなった後に周りの大人がピアノ捨てるとか言ってたから」
深澤「おばあちゃんの愛が詰まったピアノを捨てるなんてこと絶対させたくなくて、俺が継いだ」
深澤「俺にとっても、大切なピアノなんだ」
阿部「そうなんだ…ごめん」
阿部「何も知らないのに変なこと、 」
深澤「違うよ。そういうこと言ったんじゃなくて」
深澤「とにかく、傷ついてないから」
_______________
阿部 side
深澤「じゃあ…この前のアヴェ・マリアとか!!」
阿部「ん、いいじゃん」
深澤「聴いててね」
そう言うと、ふっかはその曲を弾きだした。
曲の強弱と一緒に体を動かしているのが凄く綺麗。
ピアノそのものの音程がおかしいことに気付かないくらい、終始美しい演奏だった。
音楽の知識なんて全くない俺でもふっかの凄さが伝わる。
深澤「どう?どう?」
阿部「めっっっちゃ良かった」
阿部「ほんと凄いね」
深澤「でしょ〜」
深澤「音楽ってね、良い人も悪い人もどんなものでも魅了するんだよ」
深澤「音楽って凄いんだよ」
阿部「うん。俺もそう思う」
深澤「よし、じゃあどっか行く?」
阿部「コーヒー飲みに行こうよ」
深澤「またぁ〜?」
深澤「まぁいいけど…」
その日は一日中、ふっかと遊び回っていた。
——-❁ ❁ ❁——-
2話目は短いので今日で投稿しました︎✿