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じー・・・
ふと、風夜は視線を感じ、顔を見上げる。そこには、風夜とおなじ顔の別世界の風夜こと、ウィオラがじっと風夜を見ていた。
“ふわふわ浮きながら”
「・・・なんだよ」
そう風夜がウィオラが、答えた。
「・・・君は、あのイカれた一族のハーフなのだろう?」
「おいちょっと待て!?イカれたってなんだ!!イカれたって!!」
「だってイカれてるだろう?あの暗黒神・ヤマタノオロチを崇拝してるんだから」
「それに関してはなんも言えねぇ・・・」
と、風夜は苦笑した。
目の前の彼は、自分とそっくりなのに、どこか違う。何が違うのか分からない、だが、人とは違うあの瞳がそう感じさせているのだろうか。
赤と紫が混じったあの瞳が。どこか彼が人とは違うと感じる。
すると、ウィオラがボソッと答えた。
「・・・すまないくんが███になったのだってね」
「え?なんて?」
突然ボソッと呟いたウィオラの言葉に風夜は首を傾げた。そこだけ、まるで一部抜けたように聞こえなかったのだ。
「・・・いや、なんでも〜にしても、君も純粋な人間じゃないんだね」
「そうだけど・・・待て?君“も”?」
風夜の疑問に、ウィオラは答えた。
「そうだよ。僕も純粋な人間“ではない”かと言って、ハーフでもないけどね」
「え、じゃあなんだよ?」
「それは内緒さ☆」
「うっわ、同じ顔なのに殴りてぇ」
「君以外と脳筋思考?」
思わずウィオラはそうツッコミを入れた。
「・・・そっちの世界でも、俺は人と違うんだな」
そう風夜はこぼす。その声は少し悲しそうだった。そんな風夜の頭をウィオラはぐしゃぐしゃ撫で回す。
「うわっ!?」
「・・・確かに僕は、人じゃない。すまないくんとも違う・・・けどね、世界は捨てたもんじゃないよ。人間は争い、憎みあい、愛し合い、愛おしい存在だ。・・・僕はすまないくんと会って分かったんだ。人は捨てたもんじゃない。まだまだ僕は人間を知れてないんだって」
そうウィオラは答えた。その言葉はまるで、“神様”の視点から見ているような、そんな気がした。
(・・・ん?すまないくんとも“違う”・・・?変な言い方だな・・・まるで、そっちの世界のすまない先生が“人間”では無いみたいな・・・)
風夜はその言葉の意味が分からなかった。
・・・だが数日後、その言葉の“意味”をすまない先生達は知るのだった。