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タむトル、䜜家名、タグで怜玢

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テラヌノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025幎1月10日〜3月31日たで
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「 ふざけたこず抜かしおんじゃねぇよ、“鶎蝶”。」
い぀もよりずっず怒りが含たれたいざなの荒い口調に眠りを砎られる。


「  もし○○に手ェ出したらオマ゚でも殺すからな。」


ただがんやりずする芖界には、シンプルなガラケヌを片手に䜕か蚀いたげな衚情で宙を睚んでいるいざなの姿があった。だが、その姿はい぀もの甘い雰囲気ではなく、時折芋る王様を思わせるような匷い嚁圧感で背にはあの赀い服を矜織っおいた。


『 いざな』


今にも閉じおしたいそうな瞌を䞡手で擊り、垃団から䜓を出す。

その瞬間、服のすき間から流れ蟌んでくるひんやり冷たい颚が皮膚を冷やしおいき、そんな冷たい颚から身を守るように肩をすがめる。

もう冬ず呌ばれる季節なのだろうか。ずっず郚屋の䞭に居おも、肺を凍らせるような冷たい颚が目を芚たすように身䜓を吹き぀けるのをやめない。


「○○わりぃ、起こしたか」


あたしに気づいたいざなが手に持っおいたガラケヌを゜ファヌの端の溝に埋め、そう蚀う。


『ううん、だいじょうぶ』


がんやりずする声でそう蚀葉を返し、「おはよう」の蚀葉の代わりにぎゅっず冷えた䜓を枩める様にあたしの䜓を抱き䞊げるいざなの肩に顔を埋める。その瞬間、自分ず同じシャンプヌの銙りが錻先を掠め、そんな些现な出来事にほのかな喜びが氎のように胞に溢れる。


「眠いなら寝おおいいぞ、ただ倜䞭だし。」


優しい声ず共にあたしに降り泚ぐトン、トン、ず䞀定のテンポで感じる背䞭の錓動に、匷烈なだるい眠気が瞌にのしかかり、瞌が也いた石のように感じられる。


『んヌ   』


そんなうずうずず䞍安定になっお来る意識ずは逆に、ただ起きおいたいずいう願望が胞に湧きあがり、眠たい䜓に無理やり鞭を打぀。


『 いざながおきずくならあたしもおきる。』


ゆっくりず埋めおいた顔を起こすが、埌頭郚にはただ睡気がこびり぀いおいる。今にも眠っおしたいそうなほど意識も䜓もフラフラずするけれど、あたしを抱き䞊げるいざなの甘く目が釘付けになるような排萜た衚情を芋れば、そんなし぀こい睡魔は䞀気に飛んでいき、意識が䞀瞬でクリアになっおいく。


「  なあ、○○。」


『なあに』


少し深刻そうな、そんな䜕かの芚悟を決めたような固い口調に頭の䞭で䞍安の混じった疑問笊がぐるぐるず乱舞する。

そんなあたしの手を、いざなはぎゅっず匷い力で握っお蚀った。


「今日、倖出おみるか」


䞀瞬、蚀われた蚀葉が䞊手く凊理出来ず、党身の肉が棒のようにきょずんず固たる。いざなの蚀葉はちゃんず耳には届くのに頭の䞭には入っおこない。


『おそず』


ぜ぀りず雚粒のような小さな声で問い返す。


『 いっおいいの』


今たでずっず出るな芋るなずたで蚀われおいた倖の䞖界。

出たのだっお幎ほど前で、もう倖の音も匂いも忘れおしたった。


「あぁ。“東京”っおトコに甚がある。でも流石にオマ゚䞀人ここに 眮いずけねェ。」

きょずんず困惑を衚情に滲たせるあたしをあやすように手の甲で撫でながら、いざなが蚀葉を萜ずす。

東京。

聞き銎染みのないその蚀葉がすぅっず颚のように耳を暪切っおいく。


『 ずヌきょおずおいばしょ』


「あヌ  。たぁ○○基準で考えたら遠いな。」


少し考えるような玠振りで告げられたその蚀葉に劄想に近い䞍安が沞きあがる。

迷子になったらどうしよう、いざなず離れ離れになったらどうしよう。

そんな思考がぐるぐるず脳内を巡り、明るかった心に濃い䞍安が圱を萜ずす。パチパチず氎分を求めるように瞬きを繰り返すず同時に、重く黒ずんだ䞍安が胞の奥で増え続ける。


「ンな顔すんな、倧䞈倫。ずっず傍に居るから。」


俯くあたしの衚情から䞍安を読み取ったのかい぀もよりずっず甘さず優しさを含んだ声でいざながそう蚀う。

 

『 もしもあたしがたいごになっちゃっおもみ぀けおくれる』


「迷子になんかさせるわけねェだろ」


自信に満ちた声色でそう蚀葉を萜ずされ、ぐいっず䞡手で俯いおいた顔を䞊げられる。その瞬間、宝石のように綺麗で柄んだ玫色の瞳ず芖線がぶ぀かる。


「 オレず離れるかもっお䞍安になった」 


からかうような口調でそう告げられ、コクンずいざなから目を逞らすように小さく頷く。


「  可愛い」


俯いおいた顔をもう䞀床䞊げられ、匷制的にいざなず顔を合わせる。

ちゅっず觊れるだけの軜い口づけをするずいざなはあたしを芋えない檻の䞭に閉じ蟌める様に匷く抱きしめた。その拍子に芖界がいざなの服の圱で真っ暗になり、䜕も芋えなくなる。


「 安心しろ、絶察䞀人になんおさせねぇから。」


芖界も聎芚も嗅芚も、五感のほずんどをいざなで埋められ、あたしの䜓の䞭に暖かい喜びが䜕かの䜙韻かのように深く残る。


『 えぞぞ、ありがずぉ 』 


ぞにゃりず気の抜けたような笑みを䜜るずふず䞍安が溶け、ほんがのずした安心感に匷匵っおいた気持ちが雲にでも乗ったように軜くふわふわず浮き始める。安堵からかたたもや眠気が戻っおきおしたい、グラグラず䞊䞋に揺れる瞌に隠され、芖界が安定しない。

あ、だめだ。寝ちゃう。

必死に保ずうずする意識の狭間で、いざなが䜕かを呟いたような気がした。


「 だからずっずオレのこずだけ芋おればいいンだよ。」


䜎く甘く歪んでいお、酷く濁った想いを匂わせるその蚀葉をずどめに、あたしの意識は途絶えた。







むザナside 


「○○」


プツンず蚀葉が途切れた○○の顔を芗く。

無防備に可愛らしい幎盞応の寝顔を晒し、スヌスヌず芏則正しい寝息を立おる○○の姿に、寝おいるのかず萜胆する。


「オレず起きずくっ぀っじゃねェか」


痣や傷、根性焌の痕が薄くなった○○の癜い肌を撫でながらそう、呆れの滲んだ口調で語り掛ける。圓然返事はないが。



──「オレのずころ来るか」



薄くなったずはいえ、ただ濃く残っおしたっおいる○○の肩の痣が芖界に入った瞬間、あの時の自分の蚀葉ず○○の姿が耳に蘇る。



──『 うん』



そんなオレの問いかけに、舌ったらずな語呂の回らない声でそう蚀葉を返したコむツが本圓に可愛くお、いっそグチャグチャにしお食べおしたいたいずいう衝動に駆けられたのを思い出す。




○○ももう歳。初めお䌚った日から幎が経った。

流石に幎もなればニュヌスや新聞も萜ち着くかず思ったが、珟実はそう甘くないらしい。

譊察もニュヌスも懲りずにただ行方䞍明者扱いされおいる○○を探しおいお、嫌でも厳しい珟実を芋せ぀けられる。





オレだけの、ずっずオレ䞀人だけの○○なのに。


あの芪、自分で自分の子䟛を捚おたくせに。


あんなボロボロになるたで傷め぀けやがったくせに。





溢れ出る怒りを抑える様に、奥歯が軋むほど歯を食いしばる。

もしもアむツらに芋぀かりでもしお○○ず䌚えなくなったら、なんお悪い考えが脳裏を暪切った瞬間、足元から悪寒が駆けのがっおくるのを感じる。

 

でも、そんな恐怖ももうすぐで終わる。



──2月22日。党おが倉わる。



「ずっず䞀緒に居るっお誓ったもんな」


抱き寄せた拍子に感じる○○の䜓枩の暖かさに笑みを浮かべながら、そう蚀葉を萜ずした。





続きたす→♡1000


ごめんなさい久しぶりの孊校にメンタル死んでたした😿

えいえんにふたりきりでいようね【黒川むザナ】

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