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Sora🫧🐋
981
#STPR
絵雨
43
翠(´・ω・`)
31,038
朝。
教室。
席に座ると、机の上に小さな紙パックのジュースが置いてあった。
「……?」
首を傾げる。
誰のだろう。
周りを見回しても、それらしい人はいない。
「らっだぁ、それお前のじゃね?」
前の席の男子が言う。
「え?」
「さっき誰か置いてったぞ」
「誰?」
「知らん」
……まあ、いいか。
誰かの置き間違いかもしれないし。
そう思って、そのまま机の端へ寄せた。
二時間目。
授業が終わる。
消しゴムを落とした音がした。
反射的に拾おうとした、その時。
「あ、ごめん、ありがと」
落とした本人が、自分で拾っていた。
「……あ」
手を伸ばしたまま止まる。
「どうした?」
「いや、なんでも」
苦笑して席へ戻る。
……なんか。
最近こんなのばっかだ。
***
昼休み。
屋上。
「今日も暑いなー」
「毎日言っとるやん」
「毎日暑いからしょうがない」
笑う。
三人も笑う。
風が吹く。
穏やかだ。
本当に、穏やかだ。
「……」
その穏やかさが、
少しだけ苦しい。
「らっだぁ?」
ゾムが顔を覗き込む。
「ぼーっとしとるやん」
「あー、ごめん」
笑う。
ちゃんと笑えた。
……はず。
***
放課後。
一人で廊下を歩く。
窓の外は夕焼けだった。
「……」
最近。
みんな優しい。
優しすぎるくらい優しい。
何も困ることはない。
嫌なこともされない。
むしろ、前よりずっと過ごしやすい。
困る理由なんて何もない。
なのに。
胸の奥だけが、ずっと落ち着かない。
「……なんでだろ、」
誰にも聞こえないくらい小さく呟く。
答えは返ってこない。
ただ夕日だけが、
長い影を廊下へ落としていた。
家へ帰る道。
歩きながら、ふと思う。
俺は。
前と何も変わってない。
みんなが変わった。
だから。
きっと。
この違和感にも、理由があるはずなんだ。
それはたぶん、俺のせいだから。
気を遣わせるくらいだったら、今まで通りのほうがいい。
⋯なのに、なんでみんなは、
「俺に優しくしてたらめんどくさいのにな〜⋯」
溜息が、夜の静けさに溶けていった。
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