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この世界で、自分はいつか死ねるだろうか
〜 第2話 〜
《 正夢。 》
ジリリリリリリ!!!
けたたましい音が隣から鳴っている。バサ、と音を鳴らして俺は飛び起きた。とても、良くない夢を見た気がする。今はとてもうろ覚えだけど。でもそんな中、はっきり覚えているシーンがある。
あの雨の音、銃の音、塩の声、街の声が。耳の裏にもこびりついているんだ。汗が出てくる。これは多汗症だからか、それとも別の要因があるのか。俺には考えれなかった。
「 ……ハァッ、ハァ、……外に。出る、か、 」
自分の欲望を叶えるために。俺は外へ出ようと、自分よりも一回りでかいバッグを取り出した。何か既視感を感じたが、それはきっとさっきのような悪夢のせいでそう思い込んでいるだけだと自分に言い聞かせたけど、どうしても。信じられなかった
「 汚…ね、ぇ……アレ、? 」
扉のノブに手をかけ振り返り。もう使わないであろう部屋に言葉を吐き捨てようとした瞬間。何かおかしいと思った。アレ。俺この光景見た、と。どういうことなのかもう分からなくなってきた。呼吸は荒くなり耳は自分の内蔵の音しか拾わない。もう嫌になる、誰か助けて欲しいものだ。
「 ……ぅ”。く、そ……クソ…… 」
そう言い放って。扉を開け、キィ、と音を鳴らし。ガチャンと閉まる音がした。
外に出ると何時ものようにうるさく、人が多い。この光景も見た。そして自分はここは居心地が悪いからと路地裏に入るのだ。本当にそれでいいのか、?でもここには居たくないし、でも、それより塩が死ぬ事は避けたいと言うのに、それでも足は、体は路地裏に歩いていった、
「 お、砂糖。どしたん?こんな所に。 」
「 ……は?お、前こそ……何、? 」
おかしい。ここに入ると後ろから大きい声を出し、こちらに走ってくるはずの塩が何故先にいるのか。もう既に展開が違うでは無いか。でもそれより塩が生きてくれている事が嬉しくて、目元が熱くなった。
「 は、?!お前なんで泣?!?! 」
「 ぁ”、はは…ごめ、その…嬉し?くてさ。 」
「 どしたんやお前… 」
心配して、俺の顔を塩の手が触れた。暖かいなぁと思ったと同時に此奴は生きているんだと分かった。俺は塩の目の前で初めて泣いたかもしれない。次の瞬間。俺は絶望のどん底に突き落とされるとも知らずに。この涙はその時に取っておけば良かったのかもしれない。
あの夢で聴いた音が、また耳に流れたんだ。
パシャ、と音を鳴らして、俺の顔には塩の血がベットリと着いていた。塩は塩は俺の方向へ倒れ込んで来て。俺は塩が倒れ込むと同時に塩と、いや塩の死骸と倒れ込んだ。
と音を鳴らした。上をむくと雨が降っていた。ザァァァア、と音を鳴らして。まるで銃の音を掻き消すように。耳にはまだ音が鳴り響いている。
カチャ、と塩の死骸は銃を握っていた。きっと自分で自分を撃ったのだろう。俺は、俺……。そんな事を考えていると。また、意識が遠のいた、
ジジジジジジ!!!
ハッ、と目が覚めた。嘘だろう?また夢だったというのか。汗が滲む、呼吸が荒くなる、目に涙が滲む。これ以上は無理だ、耐えられないんだ。
アラームを切る為にスマホの電源を切った。
「 ……お”ぇ”、ゔっ、げほ、。 」
いつの間にかトイレに向かって顔を向けていた、思い出すだけでも吐き気がして、吐いた。今この世界は夢なのかそれとも現実なのか。俺には判断出来ない。とりあえず外に出るため、自分よりも一回りでかいバッグにパソコンや、ヘッドホン。食料、服。様々なモノをぶち込んだ。
そうしてまた俺は扉のノブに手をかけて、部屋を見渡した。
「 …また、俺は戻ってくるのか、? 」
そう吐き捨てて睨むように部屋を出た。ガチャ、と扉に鍵を閉め、古臭いアパートを出た。
ガヤガヤとうるさい街。人混みの海に押し返されそうになりつつもただひたすら俯いて、路地に入った。
「 砂糖、!どしたんこんなところに…っておいおい。なんで無視するんや、。悲しいやろ、 」
「 …うるせぇ、…早く行かせろ。 」
「 何をそんなに焦ってんるんや、おい、!ちょ…待ぃや。 」
手を掴まれて。真剣な目でこちらを見て放った言葉は俺には何も響かなかった。
俺は俯いて先に行こうとしても手を掴まれているから先に進めない。このまま立ち止まり続けても意味が無いことなんて、、あっちだって分かっているはずだ。だから俺は動いた。あいつの為にも、俺の為にも。
俺はあいつからすぐさま銃を隠し持っていた塩から取り上げ塩に銃口を向けた。
「 何、…は?何で俺がそれ持ってることに気付いたんや…… 」
「 ……うるせぇ、んな事ァどうでもいいんだよ。早く、死ね…。 」
俺は睨みつけた。仮にも俺を殺そうとして、何も許可を取らず俺の目の前で死にやがったヤツは……俺は嫌いだ。俺は引き金に指をかけた、
「 、ごめん。……こうするしかッ、 」
俺は塩に向かって銃を撃った。塩は目の前に倒れてきた。都合の良い雨が降り始めた、音は消され、何時もの街のガヤガヤ音も聞こえた。俺は上を見た、今日の夢のように意識が遠くならないことを確認すると、この世界から、塩から
《 正解。 》
と言われた様な気がした。俺は残りの弾を全て塩の残骸にぶち撒けた。
そして俺はこの忌々しい路地裏から離れたのだ……。
「 ぁ〜、イテテ。追撃って、酷いことするなぁ、。 」
「 何故撃たなかった。お前は任務は全て成功させるじゃないか。 」
「 ……何でやろなぁ。 」
撃たれたあと、俺は近くに隠れていたパートナーと合流し、ちょっとした雑談をしていた。
この世界で、自分はいつか死ねるだろうか
〜 第2話 〜
《 正夢。 》
ℯ𝓃𝒹