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言うことナッシング☆
一難去って、また一難
ギルドランク……ねぇ……水晶に手を触れただけで強さが分かるって、どうなってるのよ、この世界。
「……お嬢様は……1Zですね」
「1Z?」
「ええ、最高ランクです」
「……ごめんなさい、もう一度言ってくれるかしら?」
「最高ランクです」
「……何かの冗談かしら?」
「違います」
「……この水晶は壊れているのかしら?」
「違いますね、壊れているのなら、ヒビが入っているはずです」
「…………」
「ですが、最高ランクとは言えど力は上手く使いこなす事はまだ無理ですね」
「……それだと、なんランク?」
「7です。中級ランクですね」
「あら、そう……それは……うん……それは……」
「では、ギルドに登録してきますね」
「……ええ……」
私がベンチで座っていると、数人の男性……おそらく、ギルドの者と見られる人物達が話し掛けてきた。
「……お嬢ちゃん、お一人かい?」
「……だったら、何かしら?」
「一人かぁ……俺達のパーティーに入るか?見た所、まだ新人だー」
私に話し掛けた冒険者に受付嬢のヘラが遠くで叫ぶ。
「あ、ベネディクトさん!その人のランク、1Zですよー!」
「……1Z……?」
「はい!因みにこのメイドさんは元剣姫です!」
「……お嬢ちゃん、見かけによらず強いんだな……」
「ええ、有り難う。ベネディクトさん」
ベネディクト、と言われた冒険者はウィラが戻ると逃げるようにして去り、見えなくなった。ウィラが彼の方向を睨みながら言う。
「……お嬢様、依頼の件ですが、5の子供ドラゴン退治がございます」
「……じゃあ、それにしましょうか」
薄気味悪い洞窟から生暖かな風が吹く。その風が頬に受け、不快としか言いようがなかった。奥には私の背丈ぐらいの子供のドラゴン。これなら倒せそうだ。
「……お嬢様の属性は……風と光ですね。スキルは結界……私は手出し致しませんので、ご自由になさって下さい。ただし、危険になれば話は別です」
「……ええ、分かったわ」
私は子供ドラゴンの周りを結界で封じてからその中に風魔法を全て長い事……いや、かなり長い事ぶつけた。
やっと終わった頃にウィラが笑顔でやって来て、後始末を始めた。
……時間が掛かりそうね。そこら辺で歩いておきましょう……。
私は鬱蒼とした森を道なり通りに少し歩くと、バッサバッサという羽ばたくような音が頭上からし、見上げるとー
そこには、先程の何倍よりも大きなドラゴンが此方を睨みながら降下していた。
あとがき
言う事ナッシング!