「や……っ、ぁ、あ……そこ……っ」
私はか細い声で善がり、体をくねらせて与えられる淫悦から逃れようとする。
「気持ちいい? じゃあ、もっと気持ちよくなろうな」
尊さんは優しく笑うと私の乳房に舌を這わせ、ツ……と透明な軌跡を描きながら、なだらかな丘を舐めてくる。
ときおり熱い吐息が乳首に掛かるけれど、彼はそこに触れず焦らすように乳輪を舌で辿った。
いっぽうで手は下着の中に潜り、愛蜜をすくい取った指先でコリコリと肉芽を転がしてくる。
「ン、ん……っ、んぅ、や、あぁ、……きもち、の、……や……っ」
尊さんは無意識に「いや」と言ってしまった私の言葉を聞き、秘所を弄る手をピタリと止めた。
「『嫌』? じゃあ、やめてもいいか?」
愉しげに言われ、私は潤んだ目で彼を睨んだ。
「……やだ……。……し、して……」
弱々しくおねだりすると、尊さんは満足げに微笑み、私の額にチュッとキスをした。
「いい子」
そのあと尊さんは私の下着を脱がせて一糸まとわぬ姿にすると、自分も下着を脱ぐ。
(わ……、久しぶりに見たかも)
間接照明に照らされた、彼の素肌の美しさに目を奪われ、私は赤面してポーッと放心した。
普段はスーツで隠されている速水部長の体が、鍛えられていて腹筋バキバキなんて知ったら、綾子さん辺りは鼻血を出して失神するだろう。
(……私だけのものだもん)
一人優越感を得た私は、両腕を伸ばして尊さんを抱き締める。
「……大好き」
囁くと、尊さんも私を見て優しく微笑んでくれた。
「俺も朱里の事、大好きだよ。愛してる」
彼が口にしたのはシンプルだけど、それ以上ない愛情表現の言葉だ。
――嬉しい。
心の奥底まで、尊さんの愛情が染み入っていく。
知らずと、私は眦から涙を零していた。
「……お願い。一時的でもいいの。不安な事を全部忘れられるぐらい、めちゃめちゃにして」
先ほど認識した、父の死を覚えていない出来事は、私にかなりのショックを与えていた。
父はもう亡くなっているから、急いでも急がなくても何も変わらない。
私が真実を知るタイミングが早くなるかどうかの問題だ。
尊さんが言ったように、まずはすべき事をこなしてから、ゆっくり父の死と向き合うべきなんだろう。
でも、どうして大好きな父の事を忘れてしまったのか、謎で堪らない。
(何があったの? 過去の私……)
涙を流し不安そうな顔をしていたからか、尊さんは私の目元にチュッとキスをして涙を吸い取った。
「分かった。他の事を考えられないようにしてやるよ」
尊さんは今までの攻めて楽しむ顔ではなく、心から私を慈しむ表情で微笑み、もう一度チュッとキスをしてくれた。
そのままキスは深くなり、私は尊さんの唇を味わいながら、乳房を揉まれ、蜜孔に指を入れられて切ない呼吸を繰り返す。
彼の柔らかく温かい舌に自分のそれを絡め、吸うだけでも精一杯なのに、濡れた蜜孔を太く長い指でほじられ、体の奥から切なさがこみ上げて堪らない。
「はぁ……っ、あ、……みこと、さん……っ」
尊さんの名前を呼ぶと、彼は返事をするように音を立てて私の唇をついばみ、キュッと乳首を摘まんだ。
「んっ! んぅぅ……っ」
私はジーンと全身に染み入る悦楽を、顔を仰のけて受け入れる。
尊さんが指を動かすたびにグチュグチュといやらしい音が立ち、たっぷりと濡れて柔らかくなった場所が好きなように弄られているのを知る。
と、油断していた時に、興奮してピンと硬くなっていた肉芽をクリュンと撫でられ、大きな声が口を突いて出た。
「はぁんっ!」
そこに触れられた瞬間、物凄い淫悦が全身にビリビリッと伝わり、堪らなくなった私は体を揺さぶって快楽を表現する。
「可愛い……」
尊さんはそんな私をうっとりとした目で見て、不意に乳房に顔を寄せると、見せつけるように舌を出し、上目遣いに私を見ながら乳首を舐めてきた。
コメント
2件
ꉂ 🤭フフフ 独占欲が可愛すぎ💕
私だけのものだもん この言い方がたまらなくカワユイ😍 もちろん朱里ちゃんだけのもの。逆に尊さんだけのもの。だね💕