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……グラスをふたりで重ねる内、とろんと瞼が下りてくるのを感じた。
「……もう、眠くなってきたのですか?」
彼の低い声が熱を孕んで、耳をくすぐるように響く。
「まだ…眠たくは……」
さっき聞かされた、酔った際の恥ずかしくなる話に、今日は寝ないでいようと思うそばから、小さなあくびが零れ出る。
「眠いのなら、寝てもいいのですよ?」
彼が私に身体を寄り添わせ、息を吹きかけるようにして囁きかけてくる。
そうして、回された腕にふっと抱え込まれると、付けているコロンなのか甘ったるい匂いがふわりと鼻先に薫って、まるで蜜に惹き寄せられる蝶のように、無意識にその胸に凭れ掛かってしまいそうだった。
「……寝られない…そんな風にされたら……」
密着する感触に体が熱を帯びて、逆に目が冴えてくる。
「……なら、抱いて、寝てあげましょうか?」
ソファーにゆっくりと倒されて、
「…え、抱いてって……」
彼の腕が、私の腰へ下りると、びくんと半身が強張った。
「……何を、恐れているのです?」
言いながら薄く笑みを浮かべる顔に、きっとわかっているのに違いなくてと感じる。
「どちらがいいですか? 責められるのと、そうではないのと」
「そんなの……」言葉に詰まると、
私の答えを待たずに、
「ならば、責めてあげましょうか?」
着ているブラウスに、彼の指先がかけられた。