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この街とあの夜のあの子

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この街とあの夜のあの子

1 - 第0話・出会い

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2022年12月23日

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西暦2018年8月30日 夜21時30分 俺はあの子に出会った。出会いは些細な事だった。

2018年8月30日。この日、大規模な夏祭りが数年振りにこの街で行われた。他県からもお客様が来る程の有名な祭りだった。毎年恒例のこの祭り、例年人は多かったが今年は更に多かった。勿論この俺も友人を連れて参加した。

「人多過ぎだろ。」

歩く道には人、人、人…。偶に警察が歩いている。俺の一言で皆喋りだした。

「それな。まじ多い。」

「ネットに例年以上って書いてある。まじでやめて欲しい。」

なんて口走る友人を見て俺は笑った。2人とも汗をかきながらこの道を歩いていた。休憩がてら、俺達は公園によった。現在時刻は18時、まだ太陽も出ている。そこで俺は友人二人から揃って告げられた。

「わり、彼女待たせてるからここいらでお暇するわ。」

そう、二人とも彼女持ちである。対する俺はと言うと一目惚れもまだしていないペーペーの中学二年生。勿論友人も中二である。一人となった俺はお祭り用に貰ったお小遣いを握りしめてその場で空を眺めた。微動だにしない俺に蚊がよってくる。いつもなら叩くか動くかするのだが、今日は違う。友人に彼女が居たなんて、と知らなかったことに友人の幸せに称賛を送りながら自分の不甲斐なさに打ちひしがれていた。することが無くなった俺は一人虚しく家に帰ったのだった。そして夜ご飯を食べ終わった頃。母から貰ったお小遣いを別のものに回そうとお祭りの時に履いていたズボンを漁ったのだが、何故かなかった。当時中二の俺にとってお小遣いと渡された700円は高額だった為に俺はパーカーを羽織って外に出た。そして俺達が立ち寄った公園まで走る。一切の人影のない公園、数時間前とは大違いだ、なんて思えば700円の入った小銭入れを探すべく公演を散策していた。散策すること数十分、諦めかけていたその時、視界の隅から女性の綺麗で白い手が見えた。その手には俺の名前が書いてある小銭入れが乗っていた。その時に俺は思ったのはよかった、あった、感謝よりもそちらが優先され、小銭入れを拾ってくれた人の手から小銭入れを取ればガッツポーズを見せた。そしてふと我に返れば微かな声が聞こえた。

「大丈夫?」

俺の身を案じての言葉か分からなかった俺は困惑した。そしてその声の主の方へと頭をあげれば俺の頭に衝撃が走った。その時、俺は初めて一目惚れを経験した。これが俺の運命を変えるとは知らずに。現在時刻、21時30分、これが彼女との出会いだった。

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