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雅也と橘の戦いは、ついに雅也の故郷である京都に到達した。東海道を駆け抜け、互いの信念をぶつけ合った二人の旅路が、ここ京都で新たな展開を迎える。闘争の中で燃え上がる意志は、ついに街そのものを巻き込む戦場へと変えていく。

京都の街に入ると、雅也の表情が一瞬曇る。

「ここがわしの生まれた街や。ええやろ、橘。これが京都や。」

街は静かでありながら、どこか張り詰めた空気が漂っていた。雅也が通るたびに、住人たちは戸を閉め、路地の陰に隠れる。

「歓迎されてるって感じじゃないな。」

雅也は小さく笑う。

「まあ、ええやないか。覚悟しときや。この街で戦ういうことは、ただの喧嘩とちゃうで。」

街並みは雅やかな雰囲気を保ちつつ、異様な静けさを感じさせる。背後には、京都独自の風土と歴史が二人の緊張をさらに高めていく。

二人が闘争を再開しようとしたその瞬間、街の奥から複数の男たちが現れた。彼らは雅也の異能を恐れ、彼を追い出すために集結した京都の自警団だった。手には刀や槍が握られており、その目は敵意に満ちている。

「雅也!お前が街を穢しているんや!ここから出て行け!」

先頭に立つ壮年の男が声を張り上げる。

「ほう、わしを追い出すんか?あんたらでできるんかいな。」

雅也は薄く笑いながら刀を構える。その力の恐ろしさを知る者たちは、一瞬躊躇するも、やがて覚悟を決めて雅也に襲いかかる。

自警団と雅也の戦いが始まる中、橘は静かにそれを見ていた。

「おい、橘。見物しとる場合ちゃうで。わしに手を貸すか、あいつらと一緒にわしを潰しに来るか、どっちや?」

雅也の言葉に、橘は迷いながらも拳銃を手に取った。

「俺は、お前を撃つつもりはない。ただ、この街で無関係な人間を巻き込むような戦いだけは許さない。」

そう言って橘は自警団の間に立ちはだかる。

「落ち着け!お前たちの敵は雅也だけじゃない。彼が持つ異能の本質を知ろうともしないで、ただ力を恐れているだけだ!」

橘の言葉に自警団は動揺するが、雅也はそんな彼を嘲笑う。

「正義の味方気取りかいな。けど、それほど甘い場所やないで、京都は。」

雅也が刀を振るい、周囲の建物を次々と切断していく。異能の力はもはや制御不能の域に達しており、京都の美しい街並みが次々と崩壊していく。

「これが、やりたいことか?!」

橘は怒りに満ちた声で叫ぶが、雅也は聞く耳を持たない。

「街なんて、ただの背景や。わしが生き抜くためには、この力が必要やった。それだけや!」

その時、自警団の一人が雅也に飛びかかるも、雅也の刀の一振りで簡単に切り倒されてしまう。その光景に橘は拳銃を構え直す。

「もうやめろ、雅也。これ以上はただの暴力だ。」

「ほな、止めてみい。お前の力でな!」

戦いは激化し、京都は炎と瓦礫の海と化していく。橘と雅也は完全に衝突し、二人の間には和解の余地など存在しなかった。

「わしは、自分の異能で生き抜いてきた。それを否定する奴は、全員敵や!」

雅也の叫び声が夜空に響く中、橘は静かに銃口を雅也に向けた。

今日が終わるまで

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