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#ミステリー
#溺愛
#ケンカップル
#腹黒
「ごめんね、待ったー?」
裕子が席に着きながら言う。
「ううん、ついさっき来たところよ。」
私は答える。
「うーんと、今日ちょっと肌寒いわね。
ホットミルクティーにするわ。」
裕子は注文をした。
「でぇ?
アンタから連絡があるなんて、珍しいじゃない?
何かあったんでしょ?」
裕子は鋭い。
私は天羽オーナーと武人の件を相談した。
「やだ、そんなイケメン天国があるの!?」
裕子は言う。
「イケメン天国!?
そんな良いもんじゃ無いでしょ!
武人はともかく、天羽オーナーなんてセクハラ男よ!?」
「あらぁ、そーんな良い男ならセクハラ受けても良いじゃなぁい?
しかもホテル王なんて、上手く行けば玉の輿よぉ!?」
裕子が前のめりになって言う。
「いや、そんな事、私は…」
「じゃ、コンシェルジュの|久遠《くおん》さんにすれば良いじゃ無い?」
「適当に言わないでよねー。」
私はほとほと呆れてしまう。
裕子はカッコよくて金があれば誰でもいいのか?
「じゃあ、こう考えてみたら?」
裕子がニヤリと笑って言った。
「天羽さんにバックハグされた時と、久遠さんに後ろから抱きしめられた時、どっちがキュンとした?」
裕子が尋ねた。
「えぇ?
そんな質問馬鹿馬鹿しいわよ!
大体後ろから抱きしめるなんて、ズルいじゃない。
2人とも私の気持ちなんて考えて無いんだわ!」
私はそう言って、ホットコーヒーを飲み干した。
「うーん…
アンタさぁ、そんなんだから彼氏7年も居ないのよ?」
裕子が呆れ気味に言う。
「悪魔と一緒の事言わないでよ…」
私はゲンナリする。
「は?
悪魔???」
裕子が怪訝そうに言う。
「いや、それは置いておいて!
とにかく!
私は今は恋人よりも仕事なの!」
私はそう結論付け、後は取り留めもない会話をして渋谷のカフェを後にした。
帰りのバスでプライベート用の携帯を見ると、武人からLINEが入っていた。
『昨日はごめん。
だけど、アレが俺の本当の気持ちなんだ。
少しずつで良いから、俺の事男として見て欲しい。
でも、ホテルでは今まで通りに接してくれたら嬉しい。
どっちがチーフコンシェルジュに先になるか。
頑張ろうぜ。
返信は不要です。』
とあった。
私は返事をせずにLINEの画面を閉じ、深いため息をついた。
でも、武人が私を気遣ってくれているのはとても伝わってきた。
(悪魔)付き合うって言っちゃいなさいよ!顔もカッコよくて仕事も出来て、文句無いでしょ?7年間の彼氏無しが贅沢よ!
(天使)よく考えて。恋人になって、本当に武人さんを愛せる自信があるの?中途半端な態度は失礼よ。
悪魔と天使め!
そんな事言われなくても分かってるわよ!
私は悪魔と天使をかき消して家路に着いた。
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