テラーノベル
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ああ、生まれた。生まれた。
さぁ、お仕事だ。お仕事だ。
遠い遠い下を見つめる、見えなくて近づく。
あれ?声が聞こえるよ。
なんの声?なんの声?暖かい声
「生まれてきてくれてありがとう…!」
笑顔で泣いている女の人、抱えているのは裸の小さい子、ふふ、どうして泣くの?変なの!
でも、おめでとう。その子に祝福を。
あれ?また声が聞こえるよ。
なんの声?なんの声?嬉しい声
「俺が、そんな、本当に!?マジかよ!」
目を見開いて驚いている男の人、機械越しの声は聞こえないけど、とっても嬉しそう、おめでとう!おめでとう!何かは知らないけれど。
あれ?また声が聞こえるよ。
なんの声?なんの声?泣いている声
「アンタなんか、うぅ、返して、返してよぉ…」
泣いている女の人、どうしたの?どこか痛いの?怪我をしたの?治してあげようね、治してあげようね。でも、女の人はまだ辛そう。どうしてかな?どうしてかな?
あれ?また声が聞こえるよ。
なんの声?なんの声?子供の声
「かみさま、かみさま!おねがいです!いんせきのあめを、ふらせてください!」
泣いている、泣いている?どうして?どうして?貴方も怪我をしたの?
「あたし、もうこんなのやだ!だから!おねがいします!」
キラキラなお目々、可愛い目、涙が宝石みたい!でも、体がボロボロね、どうして?どうして?
「かみさま、おねがい…」
お願いの声、神様への、お願い。
うん、うん!いいよ、いいよ、赦してあげる!
お願いを聞いてあげる、かわいそうな貴方のお願い。
さぁ、お仕事だ。お仕事だ。
あれ?声が聞こえるよ。
なんの声?なんの声?んーっと、たくさん!
どうしてあの人は泣いているの?どうしてあの人は苦しそうなの?どうしてあの人たちは逃げているの?どうして?どうして?
あ!あの子だ!こんにちは!お願いを叶えたよ、嬉しいね、嬉しいね!あれ?あれ?
どうして貴方も泣いているの?どうして貴方も苦しそうなの?ごめんね、ごめんね。どこか痛いの?
「うそ、うそ、あたしが、…あたしの…」
泣いちゃった、泣いちゃった。悲しそう。どうして?どうして?
かわいそうな貴方のお願い。隕石の雨。
でも、かわいそうな貴方は、かわいそうなまま。
かわいそう。かわいそう。
かわいそうな子をぎゅっと抱いてあげる。
ほら、暖かいね、暖かい。
後ろを見れば、素敵な雨。すてき、すてき!
きゃっきゃと声をあげる、すてき、すてき!
上から声がした。見上げてみる。
怒ってる、誰に?どうして?
あ、手が伸びてくる、あれ?つかまっちゃった!
声が聞こえる。
なんの声?なんの声?怒ってる、呆れた声。
「全く、目を離したらとんでもないことをしてくれよって……ほれ、お遊びの時間はおしまいじゃよ。もう帰る時間じゃ」
どんどん上に引っ張られる、いや、いや!
あの子がまだ泣いているよ!
「…………良い子のお返事は」
はい!
コメント
1件
みぅ🤍🥀です なんか…静かな不気味さと純粋さが混ざってて、すごく心に残りました。 “かみさま”って、ただただ願いを叶える存在なんだ…。でもその結果、頼んだ本人が泣いてる。その矛盾というか、“かわいそう”の連鎖が、童話みたいでいて、ちゃんと闇があって。 私は好きです、こういう世界観。弔さんの書く“優しいだけじゃない神様”の視点、すごく新鮮で引き込まれました…🥀