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登場人物

桃さん

アカウント「N(えぬ)」

青さん

アカウント「If(いふ)」


4000タップくらいある(めっちゃ長い)

目線がコロコロ変わるので、気を付けてね

「なんでもいける」っていう人のみ

へたくそだけど許してね






俺の親は言いました。

「勉強こそ全て」と。

だから俺は、勉強漬けの日々を送っている。成績が悪いと親に怒られてしまうから、学校では1位の座を誰にも譲ることはしなかった。

ただ、俺の親は厳しすぎるのか、俺が友達と遊ぶのを拒否していた。小学1年生の頃から。「今日の分の課題を終わらせていないのに、遊んでいる暇なんてあるの?」そう言われたときは傷付いて、夜はずっと泣いていたが、今はどうってことない。親には連絡手段や調べものをする時用に、と言われて貰ったスマホは、今じゃ娯楽の為に使われている。もちろん、親にバレないように。ネットの世界は夢のようで、いつでも誰かと話せるということがこんなにも嬉しいことだとは思わなかった。

俺は今日も、夢に浸るのでした。



『こんばんわ』

とある一つのDMが届いた。誰だろう?と思ったら、それはいつも話している『N』という相互の人からだった。

『こんばんわ~どうしたの?』

『もうすぐテストだよ~😨』

『あ~たしかに!焦る~🙍』

『Ifさんは頭良くていいな~羨ましい!😄』

『いやいや!Nくんのほうが頭良いよ!』

『え、照れる…😳』

『おもろw』

あ~そういえばもうテストか。と軽く考えているが、全く勉強していなくてかなりヤバイ。え、どうしよ!!!

『ねぇ、今から電話できない?』

誘ってみると、

『いいね!やろ!』

という返事が。

返信速度が半端なくて驚く。

俺達は、案外近くにいるのかもしれない。



『電話できない?』と聞かれて正直びっくりしたけど、嬉しくて堪らなくて、『いいね!』と返事をした。

『あ、もしもし、Ifです~』

「もしもし!Nです!!」

『久しぶりにNくんの声聞いたw』

「俺もw」

あ~なんか安心するな~

「でも、なんで電話?」

『勉強で分からんところあって、教えてほしいな~って』

「それDMでもできるんじゃない?」

『いや、声も聞きたかったし…な??』

「な?ってw」



「勉強はできた?」

母にそう言われてドキリとした。

「あ、うん。できたよ」

「今週は期末テストよ。気を引き締めなさい」

「うん……」

あまり感情がこもらない、曖昧な返事をする。そして自室に戻った。

期末テストまであと2日。

ここでどれだけ追い込めるか、という考えはIfさん直伝。少し笑えてきた。

ため息を吐いてから、椅子に座り、教科書とワークを取り出す。問題を解き始めようとすると、スマホの通知音が鳴った。

『○○○○ If さんがあなたにメッセージを送りました』

触ろうかとても悩んだが、これで良い点を取れなかったらという不安があったので、そのまま放置した。通知音は鳴り止まなかった。



期末テストは無事終わり、今日は結果用紙が配られる。平均90点以上は取れたから、特に心残りはない。あ、でも98点だった理科は少し残念だったな。漢字ミスで2点引かれるなんて、思ってもなかったし。と考えていると名前が呼ばれた。ドキドキするが、きっと大丈夫だろう。

紙を受け取る。


|教科|国 |数|理|社|英|総合|

|点数|96 |93|98|90|92|467|

|平均|72 |65|79|68|80|364|

|順位| 1  | 1 | 1 | 2| 2|  2  |



2位……

目の前が真っ暗になった。

こんな感覚、生まれてはじめて。



「お~い青!テストどうだった?」

「1位……」

「え!?ガチで!?」

それは、夢のような結果が書いている紙。俺はこれを手放したくないと思い、力一杯握った。はじめてテストで1位を取ることができた。嬉しくて堪らない。

(Nくんに報告しよう!)

すかさずSNSを開く。

『テストで1位!やった!Nくんは?』




返事は来なかった。



家に帰って、すぐにSNSを開いた。

前はキラキラして見えた世界も、薄暗く見える。何故だろうか。ポチポチと文字を打ち、ツイートをする。

『テストが終わって、すこし楽になれる筈なのに、どうしてスッキリしないの。こんなの、生まれてはじめて。ねぇ、俺はどうすればいい?』

【ツイートしますか?】

ポチ

👤<別に何もしなくても良いんじゃない?

👤<点数悪かったの?

👤<裏垢でやって

👤<大丈夫?

👤<人に頼ってる時点でヤバイ


はぁ……


<桃~、ちょっと来なさ~い

「はーーい…」



母が俺を呼ぶ。

「今日って確か、テストの成績が発表される日だったわよね?」

「、うん」

「見せなさい」

「わかった、」

嫌だ。見せたくない。

見せたら、絶対失望される。させてしまう。でも、母の言うことには逆らえそうにない。俺は大人しく、母に成績表を見せた。

すると母の顔は、紙を見た瞬間に歪んでいき、部屋に響く声で怒鳴った。

「何よこの点数は!!?」

「…。。」

何も言えなかった。

「どうしてこんな点数をとるの!?だからあれ程勉強しなさいと言ったじゃない!!どうして貴方は、いつもいつも………ッ!!」

「………ごめん、なさい。」

引っ掛かった言葉を無理矢理喉から出す。でも、こんなの無駄だ。

「私は貴方に謝ってほしいワケじゃないの!!一体どうしてこんな点数をとったのか聞いているの!!」

そんなのこっちが知りたいよ。

「ッーーもういいわ!次成績が下がったり今回と同じようなら、あなたを家から追い出します!!」

………は?

「え…?な、なんで、ッ」

「なんで?そんなのこっちが聞きたいわ!!」







ピコンッ___

『○○○○ Ifさんがあなたにメッセージを送りました』

「………………?」

赤くなった目でスマホの通知画面を見る。

「……Ifさん…」












『明日、会えませんか?』









『明日、会えませんか?』というIfさんからのメッセージを見て、あの時は冷静だったけど、今となったら「なんで?」という疑問が出てくる。まぁいいや!その時はその時で!


『今どこら辺?』

Ifさんからだ。

『今学校だよ』

『じゃあ俺の言う通りに動いて!そこに俺いるから!』

ん?

『はーい』

俺がいる学校にいるのか…?

『どこの教室近く?化学室?』

『そ、そうです』

こわ…

『そこから右に曲がって、家庭科室横の階段登って』

『りょーかい』


一応言う通りにしてみたけど、

ここって屋上じゃん…




ガチャッ___



「………あれ?青くん?」

「あ、桃くん。やっほ~」

………ん??いや、え???もしかして……

「………If、さん??」

すこしの間の沈黙。

その後に青くんが話し出した。

「あ、うんうん。俺やよ~」

「ぅえッッ!?!?!?」

「めっちゃ驚くやん」

うわ~え~マジか!

Ifさんが隣のクラスの青くんなんて!

言われてみれば声似てる…

「あ、あの、俺を呼び出したのは……?」

「あ、そう。昨日のツイート」

「…??………あ」

「俺やって相互の人の投稿くらい見るよ。」

「恥ず………」

「何かあったん?」

「………実は__」



「へぇ~そら大変やなぁ」

「うん…」

「ん~でも、」


「たかがテストの点数で、そんなに心病むことある?」

「ッッッーーー!!!」

ついカッとなってしまった。

「俺の気持ちなんか、これっぽっちも分からないクセに、偉そうなこと言うな!!!」

「おぉ、何?そんなに酷いこと言うた?」

「お前は経験した事があるのか?毎日死ぬまで勉強漬けだったこと!自分の好きなことが出来ないこと!自分の人生を選ぶ権利すら与えられないこと!!」

「………」

「次のテストがダメだったら、俺は家から追い出される!!お前の言うたかがテストで、俺は人生を決められるんだ!!それがどんなに悲しくて苦しいか、お前には分かるのか!?」


「そうやな」

「俺はお前の気持ちなんか分からんし、何なら興味ない。」

「でも、お前は親の望む人生のレールを沿って生きるだけで、ホンマにええんかどうかは、言うことはできるんちゃう?」


「そんなの、出来るわけない……言ったら、絶対追い出される……」



「俺の家に来いよ」


「……え?」

「大丈夫!悪いようにはせぇへん!俺独り暮らしやからさ!もし追い出されるようだったら、いつでも来てや」


「………………」

「お前は、どうしたいん?」


「俺は…__」





「母さん」

「あら、なぁに?」

「俺……は、」

大丈夫。落ち着け、俺!

深呼吸を1回。

「もう、勉強ばかりしたくない!もっと、友達と遊びたい!」

「………え?ちょ、ちょっと、何言ってるの?貴方は私たちの誇りなのよ?考え直しなさい!」

「俺は!」

「桃!!」

「俺は!!!友達とゲームしたいし、いっぱい話したいし、恋愛もしたいし、勉強からは少し離れたいんだ!」

「何をバカなこと言って…ッ!!」

すると、父が会話に入ってくる。

「ちょっと、聞いてよお父さん!桃が変なことを言うのよ?」

「………桃、」

「俺は嬉しいぞ。」

「え?」

「お父さんまで、どうしちゃったの!?」

母がパニックになる。

「俺は賛成だ。少しは息抜きも大切だ。」

「そんな………!!」

「桃。母さんのことは任せなさい。お前に、好きな人が出来たみたいで、父さんは嬉しいぞ。」

「い、いや!好きな人じゃなくて、憧れの人ね!!」




あの後俺は青くんの家に引っ越して、毎日を楽しく過ごしている。とても充実していて、たまにケンカもするけど、俺はこの道を選んで、後悔したことはありません。









<END>

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