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♡見えてからというもの…
私が幽霊が見えるようになったのは小学生の時。
もともと嫌われていた私は、幽霊が見えない時から『あいつ、幽霊見えるんだって。』と、言われていた。
「私、幽霊見えないよ?」
といっても、聞いてもらえず、「うるせえな!幽霊女!!こえ~!」と、騒がれて瞬く間に『幽霊女』という名が知れ渡った。
結局、いじめが激化し、私は田舎から都会へ逃げるように移り住んだ。
でも、田舎よりも都会のほうがもっとひどかった。
「幽霊地味女。消えろ~」
花壇にいれば、水をかけられ、校庭にいれば砂をかけられ、教室にいればゴミを投げられたり、私物を汚されたりした。
そんな日が毎日続き、気づけば人が怖くなっていた。
幽霊よりも怖い。きっと幽霊のほうが優しい。そう思い込んでいた。
そして、小学3年生の夏。
半成人を迎えた私に異変が起きた。
めまいがして、ずっとベットに寝転がって耐えていると、ふと、窓のほうに何かいるのが見えた。
そっちを見ると、こちらを覗く幽霊がいた。
自然と怖くなかった。
人のほうが怖いと思い込んでいたせいかもしれない。
「幽霊さん?」
私がそう声をかければ、私よりも大きいはずの幽霊さんは突然泣き崩れた。
蜘蛛の幽霊さん(蜘蛛火 くもび)だったらしく、最初は驚いたが、友達が居なくて寂しい思いをしていたその蜘蛛火さんに親近感を持ち、一緒に過ごす日々が多くなった。
学校が怖くても、ずっと外の壁に張り付いてこっちを見守ってくれていたり、体育の授業では、私をいじめていた男子の足を引っかけ、こけさせたり。私を間近でずっと支えてくれていた。
そんな蜘蛛火さんとお別れが来たのは私が中学になろうとしていた時だった。
突如として現れた霊媒師に祓われた。
「チ、スズ……マタ、アオウ」
「蜘蛛火さんッ!」
苦しそうにもだえながら塵になっていく蜘蛛火さんに私は何もしてあげられなかった。
この日を境に、霊媒師さんは全員悪い人だと思い込んだ。
何も言わず、蜘蛛火さんを祓った霊媒師。
私たちの仲を見てやっと気づいたのか、後々になってから「ごめんよ」と、謝られた。
つい、睨んでしまった。
私の蜘蛛火さんを、返して!そういう意味を込めて。
それから、たびたび見る幽霊さんと過ごした。
でも、やっぱり、蜘蛛火さんのように仲良くしてくれる幽霊はおらず、結局またいじめられる日々だけが続いた。
そんな私に、いわゆる守護霊というものがついた。
神社にお参りに行った際、祈り終わった私の背後にずっとついてくる幽霊がいた。
蜘蛛火さんのように、虫の幽霊じゃなくて、人だった。
守護霊は、霧のような感じか、おじさんというレッテルを貼っていた自分がいた。
でも、後ろをずっとつけてくるのは二本足で歩く人。
もしかしたら本当に人かな?とも思ったが、飛んでこっちを見くるからやっぱり人ではない。
おまけに言葉も話せるようで、「かわいい。」と、いう。
何を見てかわいいと言っているのかよくわからないが、私のことではないと思う。
そう断言できるのは、いじめのせいだ。
日々、『幽霊地味女!』と言われては、自分の容姿が地味なことくらいよくわかった。
丸い眼鏡で、前髪長めの私のどこがかわいいのか。
でも、私とは違い、守護霊さんはイケメン過ぎた。声も低くて、今の私と同年代ぐらい。
不思議なほど普通の男の子だった。
でも、もう蜘蛛火さんの時のように寂しくなりたくなくて、守護霊さんに話しかけたことは一度もない。
また、失ってしまうだけだから……。
コメント
1件
ふる003さん、新作読んだよ! 蜘蛛火さん(くもび)とのエピソード、ガチで刺さったわ…幽霊の方が人間より優しいって思わせるほどのいじめ描写と、唯一の味方を祓われた喪失感が重すぎて辛い😢 それで守護霊さんには話しかけられないまま、っていう終わり方も続きが気になりすぎる!! 主人公の「また誰かを失うくらいなら」って気持ちが痛いくらい伝わってくるよ。次話楽しみにしてる🔥
#ライバル
#最強
ふる003
532
#大人ロマンス
桃下結衣
163