あくねこ夢小説
※主様出てきます。血の表現ありなので苦手な方はスキップ推奨します。
『貴方のナカマデ愛してる。』
〜狂った愛と歪んだ執着〜
second story オモイハツウジル
『ん…。』
カーテンの隙間から差し込まれた光で目が覚める。
『もう朝……。痛っ…。』
(昨日の傷が…っ。)
私はベットから起き上がり、鏡の前に立つ。
『…え?何これ……。』
首元にくっきりと手の痕が。
(昨日はこんなの…。まさか…ルカスが?)
ガチャっ
『おや、もう起きて大丈夫なのですか?』
『ルカス…。うん、まだ痛みがあるけど…。』
『それはいけません。安静にしていないと。痛み止めも処方しておきましょうか。』
『ありがとう。でももう動けるくらいになったからみんなにも心配かけちゃったし。』
『分かりました。でも無理はいけませんからね。』
『うん。あの、ルカス。』
『はい。なんでしょうか。』
『この首の赤い痕…何か知ってる?』
『……。』
私が自分で付けるわけない。きっと誰かが着けてこうなったんだ。誰かが私の首を故意に絞めた。
『…知ってますよ。だって――。
それを着けたのはムーちゃんですから。』
『…えっ!?』
あまりにも拍子抜けした言葉に驚いてしまう。
『昨日主様の首元で寝ていてその時に痕がついたんですかね。』
『あ、そ、そう…。』
『気になるなら塗り薬をお塗しましょうか。』
『う、うん。お願いしようかな。』
嘘だ。ルカスは私の答えがわかってる上で嘘をついた。だってこれは明らかに人の手形。ムーではないことはわかりきってる。
それなのに、嘘をついた理由って――?
まさか本当にルカスがやったの――?
『はい、塗り終えました。』
『ありがとう。』
聞きたいけど怖い。
『さぁ、主様。食道でみんな待ってますよ。行ってあげて下さい。』
『うん。また後でね。』
パタンっ。
『流石私の主様。鋭いですね。その痕をつけたのは私ですよ。気付いているんですね。私が嘘をついてるって。』
(でも、まだ明かす訳にはいきません。貴方が私に惚れ込んで堕ちてくれる…その時まで。)
『主様!良かった…怪我はもう大丈夫ですか?』
『うん、まだ少しだけ痛いけど大丈夫だよ。』
『良かった…。』
『主様ァ!』
『わぁっ!』
ラムリが後ろから抱きついてくる。
『コララムリ!!』
『うわっ!』
ナックがラムリを引き剥がす。
『執事が主様に抱きつくなんて有り得ません!』
『はぁ?うっざ!』
バチバチ…。
『2人とも落ち着いて…。』
『主様、今日は俺主様の好物を沢山用意したんですよ!早く元気になって欲しくて…。』
『ロノ…。うん。ありがとう。』
私はロノの料理を口に運ぶ。
『うん。美味しい…。』
『へへっ。デザートもありますからね。』
『うん、楽しみ!』
そうして、執事達に見守られながらのご飯はとても美味しかった。
『ふんふーん♪』
『あ、アモン。』
『主様!いいところに来たっすね。』
『ん?』
『はい、これ。主様にバラのプレゼントっす。』
『わぁ…っ。綺麗…。』
そのバラは赤と白のが入り混ざったバラだった。
『初めて見た…。これどうやってやったの?』
『俺が研究して作った品種っす。それは企業秘密っすね〜♪』
『なるほど…。凄く綺麗だね。』
『どうしてこの色にしたか分かるっすか?』
『え?うーん…。』
『1つは…赤い薔薇の花言葉は愛情。白いバラの花言葉は…相思相愛。』
『え!?』
『だって主様は俺の事好きっすもんね〜。そこに生まれる2人の愛情…って訳でこのふたつにしたっす。』
『またからかって…。』
『もうひとつは…。俺の髪の色と同じだからっす。 』
グイッ
アモンが私に近付く。
『!』
『これでいつでも俺の事を思い出してくれるっすね。』
『っ〜!』
『照れた顔も可愛いっすね。』
『もう……。』
私は知らなかった。この行為が――
彼を失うことになるなんて。
一方その頃3階執事部屋――。
『う、うぅ…。』
『ラムリ君。大丈夫かい?』
『ルカス様…はい、なんか、いつもの薬飲んだらなんか、痛くて…。』
『大丈夫だよ。私がいるからね。』
『ルカス様……はい。ありがとう、ございます…。』
ラムリ君は目を閉じて眠ってしまう。
『……君にはこれくらいで許してあげよう。』
ラムリ君のいつもの薬に痛みを催す薬を投与した。明日には良くなる。
『主様に触れたらこうなるってこと、身をもって体験出来ただろう?ふふっ。さて……。』
私は窓の外を見つめる。
『君はどうやって処分しようかな。』
私はアモン君を睨みつける。
『っ!!』
(なんすか?今の…殺気?)
『アモン?』
『な、なんでもないっすよ。』
次回
third story アカクチルモノ