______冷たい風が頬を撫でる。もうここに何日居ただろうか。…大いなる代償が見つからない。何も捧げるもがない。俺は気が狂いそうになった。こんなところから早く出たい。早く出てあの3人の声を聞きたい。早く、早く見つけなくては…俺は生き急いでいた。
五十嵐
「トラゾーさん。」
トラゾー
「い、五十嵐さん…」
五十嵐
「生き急がないでください。冷静になってください。冷静なればきっと見つかりますよ。」
トラゾー
「そうですよね..俺、焦って何にも周りが見えてなかった…」
五十嵐か
「えぇ。きっと、貴方の近くにありますよ」
この言葉がよく分からなかった。神社の後ろに書置きが置いてあった。前の人のだろうか。
「花が咲く時南の方角に進むめばきっと何かがあるだろう。」
花が咲く時?花なんてどこにも…あ、もしかして捧げる所の隣に置いてある花瓶の花か?確かに、いつも萎んでいたが、たまに咲いていた時があったな。
だが、何日経ってもその花は咲かなかった。
俺はもう3人と会えないのか?
神様…なんて気まぐれな人なんだ…。
そんな時、五十嵐さんが言ったんだ。
五十嵐
「花が咲いてますよ。」
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