テラーノベル
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「すごい! お兄ちゃん魔法使い?」
「さあな、母ちゃんが呼んでるぜ」
遠くから「たっくん、どこにいるの?」と呼ぶ声がする。恐らく男児は親元を勝手に離れてここまで来てしまったのだろう。
たっくん、と呼ばれた少年は、子猫を抱えたまま蛇珀に手を振り走って行った。
「ありがとう、綺麗な妖怪のお兄ちゃん!」
「妖怪じゃねえっつうの」
幼いため記憶を消す必要もないだろうと、蛇珀はそのまま男児と猫を見送った。
——何もせず、見送ったのである。
本来なら小さな子供は残る寿命が長いため、願い聞きをするには最高の相手。にも関わらず、蛇珀はそれをしなかった。
「……らしくねえ」
そう呟きながらも、蛇珀は不思議とそんな自分が嫌いではなかった。
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碧野葉菜
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都築七美
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