「攻めがやりたい」
電気のあかりが落とされた部屋のベッドの上で光を反射しない青い瞳がこちらをじっと見つめて言っていた。
だから、させてやることにした。猿山はただでさえ自分の欲求を表に出すことが少ないと天乃自身も知り尽くしていたから。
やりたいだけやらせてあげめ、満足したら彼のターンを終わらせてもらおう、そう思ってた。
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「ーーーーっあ”っ♡♡」
腰を上手く使って下から突き上げると、天乃の腰の上でギリギリ保っていた上半身は簡単に天乃の体にひれ伏した。猿山の陰茎からは力無く白濁が漏れ出て力無く震えている。
天乃は、どちらかと言えば優しい部類の人間だった。それは猿山に対しても然り。
けれど天乃が教えたことを疑うことなく馬鹿正直に行い、その都度溢れ出てくる幸福感で顔を蕩けさす恋人を見て大人しくそのままでいるほど天乃は優しくはなかった。
服を脱がす、キスを落とすという方向性から変え、自らを食べてもらう準備をさせるように指示を変える。
服を脱いで そう、全部。
俺のソレに触って そのまま扱いて。そう、えらいね。
キス、できる?そう、俺のソレに。
大丈夫だよ。変なこと教えたりしてないから
じゃあ、次は自分の胸を優しく触ってあげて?
猿山自身に蕾を解けさせるのはさすがに不可能かと思ったが、性知識に疎い猿山は簡単に信じ込んだ。そうして出来た据え膳を味わおうと、天乃も補助をしたことで新しい刺激を待っている秘部に亀頭でキスをした。
「は?、おい、あまの?」
顔を紅潮させた猿山の静止の言葉には片手を握ってやることで返事をする。そのままゆっくりと腰を下ろしてやり、熱い肉壁の中へと侵入していった。勿論前立腺をすって気持ちよくしてあげることを忘れない。
「は、ぁ”あ” あ♡や”ぁ♡あまの、あまのぉ”!♡♡」
騎乗位の体位で深くモノを加えた猿山はビクビクと痙攣を繰り返す。そんな中でもこちらを睨んでくるその瞳は流石としか言いようがない。優しくトントンと緩いピストンを繰り返すとその都度愛らしい媚声が耳に入ってくる。
「らだぁ、かわいいね」
涙と涎で濡れた頬を撫でる天乃は大切な宝物に向けるような表情をしていた。その瞳が自分に向けられているとわかった猿山は、親にさえ向けられなかった愛情を自分一人に向けられた喜びで途端に顔を蕩けさせ口角を上げた。
天乃は猿山の陰茎に手を伸ばす。そして尿道口や裏筋に爪を立てて触ってやると一際甲高い声を上げ簡単に達する。
ビクビクと震え続ける猿山を見て今度は天乃からキスをした。猿山の知識には無かった舌を入れ口内を蹂躙する大人のキスだった。
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「らだぁ、おはよう。」
怠さが残る体に鞭を打って眉を開けた猿山の目の前には黄金の瞳とそれがぴったりハマっている綺麗な顔があった。パチリ、と目が会い途端に夜のことを思い出した猿山は掛け布団で顔を隠す。
「……お”は”よ”う”」
「めっちゃ声ガラガラ。水とってくるね」
そう言って共に入っていたベッドから降りようとする天乃の腕を掴む。天乃は服を着ているのに自分は着ていないところとか色々と不満があったのは当然だが、とにかく今は一緒にいたい。幸いにも今日は両者休みだ。この貴重な休日を天乃とゆっくりと過ごしたかった。
「…ん、二度寝しよっか」
そんな猿山の意図を長年の付き合いから汲み取った天乃は再びベッドに潜り猿山の背中に手を回し抱きしめる。自分よりもずっと高い体温と大好きな匂いに抱きしめられ、猿山は微睡みの中に身を投げた。
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