テラーノベル
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「似たようなもんやろ?」
光の言葉が、私の胸の奥に刺さったまま抜けない。
似ている? 私と、この売れない芸人の男が?
一流企業でチームを率いる私と、築40年のアパートでネタを書いている彼が?
「……一緒にしないでください。私は、自分の居場所を自分で守っているだけです」
震える手でようやく鍵を開け、私は逃げるように部屋に飛び込んだ。
バタン、とドアを閉め、そのまま背中で寄りかかる。
暗い部屋。
窓の外から漏れる街灯の光が、剥げた壁紙を照らしている。
さっきまでいた、あの輝かしいオフィスと同じ世界だとは到底思えない。
「あいつ……何なの……」
心臓の鼓動がうるさい。
言い返したはずなのに、私の心は見透かされた後のような、妙な居心地の悪さを感じていた。
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