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フォォォォォォォォ!!!!!
夢主妖怪if
猫又
伯×夢(駒多ちゃん)
「貴方様がなぜ、一人でこんな所に?」
猫耳、長くてふさふさの尻尾、見に纏われた着物。
山奥で人っ子1人すら来ない。いわゆる秘境と呼ばれる場所、
獣道の側にある祠の前に佇んでいる男性にこの世の者ではない存在の彼女が語りかける。
「私が此処へ来ることに理由があると?」
「…..左様ですか…」
薄紫の肩まである髪型、翡翠色の瞳、中世の時代に居てもおかしくない
服装。今でも考察がされている超都市伝説級の存在である彼は
「サンジェルマン伯爵」と呼ばれている。
「(あぁ、いつ見ても美しいですわ….)」
2人は実に、数百年ぶりの再開を果たした。
百鬼夜行、と呼ばれた遥か彼方。妖怪の戦争で活躍した彼が
来た理由。
「はぁ、私もアイツらとは同じになりたくありませんし…」
「そうです、生まれたばかりの妖怪は。弱いですから」
彼はジャケットの様な服の内側にセットしている
『とある物』 を取り出す。小柄だ。
『小柄』
それは小さな掌に収まるペーパーナイフの様な代物で。
能力を奪う(黒)、与える(白)の2種類が存在する。
奪う黒の方はただ単にするのではなく条件があり、それは相手が負けを
認めることである。 反対に与える白の方は体の1ヵ所を傷付ける事で能力を授かることが出来る。
「“また“ですか…」
彼女がこんな反応をするのも無理ではない。
『妖怪の力は人間にしか扱えない』
その事がもしも本当なら。
不老不死も、タイムリープも、空中浮遊も、あの伝説を人間が
成し遂げた事になる。
「屈服しなさい、などとおっしゃるんでしょう?」
「正解です」
これで何度目だろう。
百鬼夜行中で危機に瀕した時、当時は言われた意味が分からなかった。
でも、それを肯定してはいけないような気がして、否定した。
「屈服されないのですか、それでは」
ドォォォンと山の中で轟音が響き渡り、焦ってしまったあまり、瞳孔がキュッと小さくなる。
「実力行使するまでです」
淡々と述べる彼に、力を奪われまいと戦慄するのであった。
「私も奪われたく無いので、全力で行きますよ」
妖怪の力が入った笄を折りその能力を使用する事が可能。
彼はまず、小手調べとして「つらら女」で先制の体勢を取る。
そして呪術組織が重要に保管していた刀「阿修螺」を振るう。
猫又である彼女は長く研いだ爪でシャキンと飛んできたつららを切り裂く。あっという間につらら女を撃破。
「あっぶな…」
彼女ももう少し遅れていたら刺さっていただろうに。
両者共に、互角の戦いを繰り広げている。
彼女は激しく動き過ぎたせいか、呼吸が浅く荒くなってゆく。
虫の息には程遠い薄い呼吸音が、静寂な山の中で反響する。
足も開始時よりフラフラしていて視界がボヤける。
彼女は彼の事に気を付けていて。
彼は彼女が死なないかに気をかけている。
次の瞬間、フッと瞳のハイライトが消え、力が入らなくなり倒れる…..
寸前に彼が助けてくれた。
「屈服…します…」
「しますから….」
命の灯火が消えかかっている私に向かって
「今はそんな事どうだって良いです!」
って言ってるの懐かしいな、彼がこんなに声をあげているの。
妖怪だからと忌み嫌われてきたこの私を絶望の淵から救ってくれた
人だから。
「もう直で与えて…酸素….。おねがい…..」
ふと自らを、客観的に見ると考えるより先に行動していた。
「….んっ///あの…ちょっと….」
後頭部をゴツゴツとした男性の手でグイッと寄せ、酸素を口渡しで供給する。
「ありがとね…」
「(積極的になってくれたか….!)」
「こちらこそ…」
「(此処に来る理由が貴女に会いに来たなんて…口が裂けても言えません…)」
ふいっと照れた彼はその顔を見せまいとそっぽを向く彼の姿が
銀河一カッコ良くて可愛い。
おハムさんは修学旅行に行っているという事なので帰ってきたらたくさん尊死する(させる)ために小説書いてます、マジで