続き!
途中で華太視点になるところがあります。
小林の兄貴が発した言葉に、全員耳を疑った。
速水「え……兄貴、嘘…ですよ、ね?」
香月「……そんな、馬鹿な…」
全員が言葉を失ってる中、野田の兄貴は冷静に小林の兄貴に問う。
野田「小林、今のはお前の同期だろ。なんて言ってた?」
小林「……死龍が麒麟街で華太を見つけたらしい、です…そんで遺体は氷室のとこに送ったって…」
野田「……分かった。全員聞いたな。悲しんでる暇はねえ。まずは華太を殺った糞共を全員ぶち殺す。悲しむのはそのあとだ。」
野田の兄貴はぐっとなにかを堪えているようだった。
野田の兄貴も、今すぐ小峠の兄貴を迎えに行きたいはずだ。でも僕たちは極道。やられたらやり返す。天羽組の本懐は、暴力を暴力で抑える。
だからまずは、そいつらを殺さなきゃならないんだ。
野田「伍代に奴らのヤサは聞いてある。小林、和中、青山は今すぐにカチ込んでこい。」
野田の兄貴から殲滅命令が出た時、小林の兄貴たち3人の殺気が爆発した。
小林「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す…」
和中「奴らに唱えてやる念仏など無い…せいぜい苦しんで死ね…」
青山「こんなにブチ切れたのは初めてだぜ……全員地獄行きだコラ………」
3人は未だかつて無いほどにブチ切れていた。
そしてほかの兄貴たちを見れば…
須永「華太は必死こいて渡世で生きてきたんだ……その人生をぶち壊した屑共は死ぬしかねえよなぁ!!!」
永瀬「俺の弟に手ぇ出しやがったな……お前ら3人くらい殺さずに持ち帰ってこいよ……全員炙って炙って炙りまくってやる……」
香月「こいつらだけはたとえ死んでも許さねえ……殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる…!」
南雲「華太を殺した罪は死ぬだけじゃ許されねぇ………地獄でも苦しめよ、この屑共が……」
矢部「そいつらは生きるに値しねえ……俺も矢部も天羽組も、もう許さねえぞ………?」
兄貴たちは全員もれなく殺気立っていた。
常人ならこの場にいるだけで気絶しているだろう。
野田「速水たちは華太を一足先に迎えに行ってやれ。」
舎弟陣「「「…ッはい!!」」」
時は小峠華太がいなくなった日まで遡る。
小峠(本当に……本当に世の中って理不尽だよな。)
俺は朦朧とする意識の中、そんなことを思っていた。
まさか不意打ちだったとはいえ、半グレに負けるなんて思ってもいなかった。
自分でも少しは成長したんじゃないか、なんて思ってたらこのザマだ。
小峠「…………ゴフッ………ヒュー、……ヒュー……」
俺の命の灯火が消えるまで、もう少しもないだろう。
小峠(俺が死んだら、皆に迷惑かけちまうな…ただでさえいつも迷惑かけてるってのに……)
あぁ、死にたくねえ。
まだ死にたくない。まだ兄貴たちに恩返しできてない。舎弟たちと飲みにだって行けてない。まだ………まだみんなと生きたい。
俺だって必死にこの理不尽な世界で生き抜いてきた。こんな時くらい、慈悲くれたっていいじゃねえかよ、神様。
小峠(まぁ……大勢の命を奪ってきた俺には、お似合いの結末なのかもしれねえな…)
あの半グレども、殺すの下手くそだなぁ。
撃たれたところ……腎臓かよ。痛えな、この野郎。
せめてもっと心臓とかあるだろ。
まぁ銃傷と滅多刺しに加え頭ぶん殴られてんだ。出血多量で死ぬか。
そして俺の意識がいよいよ混濁を始めた。
小峠「兄貴…………ゴフッ、……俺、全然…役に、立てません…でしたよ、ね……ほんと、いつも………迷惑ばっかかけ、て…すみません、でし……た………速水たちも、……ゲホッ……一緒に…飲み行くとか、言っとい…て、約束………破っ、ちまって……すま…ねえ……」
体が動かなくなっていく。
すごく寒い。
眠い…………
小林の兄貴、怖すぎて目も見れなかったけど、ずっと一緒にいるうちに大好きになりました。
和中の兄貴、情けない舎弟でごめんなさい。あの時六車から守ってくれて、ありがとうございました。
野田の兄貴、面倒見のいい貴方は、ずっと俺の憧れでしたよ。俺に渡世での生き方を教えてくれて、感謝しています。
須永の兄貴、変わった人だとは思ってましたけど、いざと言う時に頼りになる兄貴のこと、尊敬してます。
永瀬の兄貴、自分の家族のために命をかけることが出来る兄貴をずっと慕ってました。
青山の兄貴、いつもなにかと俺の事を気にかけてくれて、本当に嬉しかったです。ありがとうございました。
香月の兄貴、女装で悩んでいた時に、相談に乗ることしかできませんでしたけど、俺はあなたの支えになれましたか?
南雲の兄貴、その視野の広さ、マジで尊敬してました。俺の事を助けてくれて、本当にありがとうございました。
矢部の兄貴、ブラジルから帰ってきて、久々に一緒に入れると思ったけど、どうやら無理みたいですね。
速水、飯豊、宇佐美、お前たちは本当に成長したなぁ。俺の誇りだ。胸張って生きろ。
茂木、水野、工藤、お前たちの成長、ずっと傍で見守っていたかったよ。これからの活躍、期待してるぜ。
思い返すと、たくさんの思い出が溢れかえってくる。
参ったな。本当に死にたくなくなってくるじゃねえか。
その時、俺の頬に涙が溢れる。
小峠(もし………神様がいる…なら……………生まれ変わったら…また………天羽組の仲間と………巡り会えますよう…に……………)
俺はゆっくりと目を閉じる。
そして、俺の呼吸は止まった。
北岡『兄貴………本当にお疲れ様でした。』
死ぬ直前、そんな声が聞こえたような気がした。
to be continued…
はいおつかれさまでござんした!
次で完結、かな?
お楽しみに!
宇佐美てめえなんで死んだんだよぉぉぉ!!!
柴原ぁぁぁぁ!!!戦犯やないかぁぁぁぁぁ!
華太がそろそろメンタルやばい気がするぅ!!
コメント
7件
感情の表現上手すぎる✨️
うわぁぁあ涙がァ止まらん
初コメ失礼します!この小説読んでめちゃくちゃに泣きました、、セリフ選びも上手で本当に尊敬します!。今泣きすぎて目が痛いです笑