「ここは…旦那さんの部屋ね」
最後の部屋は事の発端となった夫の部屋だ
「結構良い書斎だな」
「えぇ、まぁ島の持ち主だったしね」
「そうだな」
部屋をまた探索していると、
「机の引き出し…一応調べてみましょう」
カイナは引き出しの取っ手に手をかけ、開いた。
「これは…」
そこには美しい耳飾りがあった。
少し大きめのサファイアが目立っている。
「あの人が言ってたものだわ…」
「これをあの部屋に置けばいいのか。」
「えぇ、じゃあ早く置きに行きましょう」
「あぁ」
カイナ達は部屋を出て、妻の部屋に向かおうとした。
しかし…
ズリ…ズリ…
「!」
何者かがこちらに近づいてくる音がする。
足を止め、ゆっくりと後ろを振り返る。
「あれは…」
振り返るとそこには、泥で薄汚れたドレスと顔を覆い隠す髪の毛、汚れた足を床に擦りながら歩く女性が居た。
「……て」
「?」
「……して」
「何か言ってるわ…」
何を言っているのかを聞き取ろうとしたその時、
「返して!!!!」
女性はそう叫び出し、こちらに向かって走ってきた。
「まずい!逃げるぞ!」
「でも…!」
「後で戻って来れば大丈夫だ!」
「…分かったわ」
2人は急いで階段の方まで走った。
それでも女性は全力で追いかけてくる。
「このままだと追いつかれるわ!」
「何とか振り切るしかねぇ…」
「…足を凍らせることなら出来るかもしれない!」
カイナは振り返り、狙いを定め手に力を込めた。
手を上に上げ、静かに握る。
パキッ…
何とか凍らせることは出来た。
しかし…
スゥ…
「そんな…!」
女性の足は氷をすり抜けた。
「カイナ!一旦隠れるぞ!」
「分かったわ…!」
カイナ達は走るスピードを上げ、建物の物陰に隠れた。
息を潜め、見つからないように身を寄せる。
「………」
しばらくすると気配が遠くなって行った。
「はぁ…何とか撒いたわね…」
「あぁ…だが、氷をすり抜けてくるとは思わなかったな…」
「えぇ…それに返してって…」
「おそらくこの耳飾りの事だろう。」
「早く戻って部屋に耳飾りを置きましょう…」
「あぁ…」
2人はまた階段を上り、妻の部屋へ向かおうとした。
「おーい!誰か居ねぇのか〜?」
「!」
「この声は…」
振り返ると
「お、ベック!カイナ!」
『お頭!?』
「何でここに…」
「探索してたんだよ!」
2人は急いで階段を降り、シャンクスの元へ向かった。
「お前らこそ、何でこんな所にいるんだよ。」
「私達も探索のつもりだったんだけど…」
カイナは事の経緯を話した。
「なるほどなぁ…俺も一緒に行っていいか? 」
「別に構わないけど…」
「よし!じゃあ行こうぜ!」
「呑気な人だ…」
ベックは少々呆れながらもシャンクス達と一緒に先へ進んだ。
To be continue…
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