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もともとSub性には困っていた。
知ってたんだ。下に見られることぐらい。
でもまさかここまで酷かったなんて。
車に乗ってぼーっと外の景色を見ながら、前の高校の思い出を振り返る。思い出したくもないのにな、。
「類、薬はきちんと持ったの?」
母さんに話しかけられ、はっとする。
🎈「大丈夫だよ、余分に持ってるし」
「だけど…」
🎈「母さんは心配しすぎだよ、 今度は上手 くやるからさ。 」
「そう、なの?」
上手く。本当に何も無ければいいんだけど。もうあんな思い一生したくなんかない。自分のせいで周りが傷つくなんてごめんだ。
「あまり薬を飲み過ぎないようにしてね、。効き目が薄くなりつつあるのは知ってるけど飲みすぎは後からの副作用が…」
「分かってるって!、あっほらそこ右だよ」
言葉を遮るように道を教える。ほんとに母さんは心配性で方向音痴なんだから…。心配してくれることに関しては嫌じゃない。だけど、あの一件があってからは迷惑をかけないよう最善を尽くしてる。僕は高校生だ。しかも、もうすぐで18歳になる。こんなことで迷惑なんてかけてられない。ただでさえ、母子家庭で苦労しているというのに…。鞄を漁り薬を探す。
「また何かあったら連絡してね。学校の保 健室の先生には一応言ってはいるけど、 もし何かあったらっ、」
尋常ではないほどの薬をお茶と一緒に流し込む。効き目が薄いことぐらい自分が1番分かってる。時間がないことだって。
🎈「じゃあ、ありがとう。母さん。」
「帰りはどうするの?」
🎈「歩いて帰るなり何かするよ」
別れを告げ車をおりる。時刻は生徒が登校するよりも少し早い時間。桜が舞い、校門の前に立つ。今日からはこの学校神山高校に通う生徒になるのだ。
大丈夫、きっと大丈夫だから。心を落ち着かせようとするが震えてしまう。前の記憶がこびり付いて離れない。薬はきちんと飲んだ。何もかも対策をした。僕のことを知る人なんて1人もッッ、。足がすくんでしまう。
🎈「…どう…しよう……」
車での威勢はどこいったのか。疑問になるほどの不安感に襲われる。やっぱり帰るか、?いやそんなことするべきじゃない。しちゃいけない。心配させたくなんかッッ、。不安で押しつぶされそうな時だった。
?「大丈夫ですか?」
優しい陽だまりのような声が頭の中にスっと入ってきたのだ。声がする方に目を向けると眼鏡をかけた金髪の青年が立っていた。彼はキラキラとした瞳でこちらを見ている。あれ、まだ生徒はいないはずじゃ、。
?「…顔、真っ青じゃないですか!?」
🎈「へ、?」
?「体調悪いんですか?それに見た事ない 顔…」
🎈「えっと……」
相手の頭上には分かりやすく、はてなマークが浮かんでいる。なんて答えればいいんだ。急に話しかけられたせいで返し方が見つからない。あわあわしていると相手もそれを察したのか右手を口に当てて考え始めた。
?「むぅ…」
🎈「???」
何もそんなに考える必要があるのだろうか。彼は少し考えたあと、目をまた輝かせた。
?「わかりましたよ!」
🎈「なにが……って!?」
急に大きな声を上げ、手をスっと伸ばしてきた。その手は伸びていき、僕のおでこに触れる。「な、なにして!?」そう思い手を振り払おうとした時、ビリッと電気が走った。
🎈「い”っっ、」
?「……!?」
まさかこの感覚は。物語や夢だけの話だと思っていたのに、。逃げなきゃ。体がいうことを聞かなくなるその前に。
?「あのっ……」
🎈「ごめんなさいッッ、」
僕はその場から逃げるように校舎に走り出した。さっき震えてたのが嘘みたいに無我夢中で。校舎の中は案の定誰もいない。どうして、どうして、彼が…。混乱の中やっとの思いでトイレに着いた。鞄を乱雑に漁り、薬を取り出す。車で飲んだ倍に等しい薬の量を流し込む。
🎈「はぁッッ…はぁッッ…」
荒い呼吸を抑えるように僕は壁に寄りかかった。