テラーノベル
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#独占欲
#ワンナイトラブ
「薬局、行ってくる」
「え、今から!?」
私はソファから重い身体を強引に起こした。時計の針は20時50分を回っている。
「閉店まで、あと10分だよ?明日の朝にでも……」
引き止める私の声を背に、彼はもう靴を履き始めていた。
「こういうのは、早いほうがいいよ」
カーテンを開けて外を見る。小雨が、いつの間にか降り始めている。
「……雨も降ってるのに、大丈夫なの?」
「……すぐ戻るから。大人しく寝てて」
お財布とスマホだけ持って彼は外に飛び出していった。
***
それから、わずか15分後。
「……はあ、はあ……っ」
激しく肩を上下させ、雨の匂いを纏った陽一さんが戻ってきた。
「……え、もう!?」
ここから駅前のドラッグストアまでは、往復20分以上は最低かかるのに。
「か、買ってきた……。はい、これ……」
差し出された袋の中には、ゼリーとスポーツドリンク。 そして――検査薬が入っていた。
***
洗面所で待つこと、数分。心臓の音が、耳元でうるさいほど鳴り響いている。
(……まさか。そんなわけないよね)
やがて浮かび上がったのは――二本の線。
(……うそ。嘘でしょ……)
温泉のあの夜はタイミング的には、可能性が低いはずだったのに――。
***
リビングに戻ると、祈るような表情をした陽一さんが、ソファから立ち上がった。
「……どうだった?」
でも、目を合わせられない。私はなんだか、急に気恥ずかしくなっていた。
視線を逸らしたまま、口を開いた。
「……私、子ども、できたみたい」
次の瞬間、あたたかい腕に包み込まれた。
「……よかった」
耳元に落ちてきた声は、震えていた。
「バグじゃなくて本当によかった」
ふっと息を吐くみたいに、彼が小さく笑う。
「最高のアップデートだ。……ありがとう、ひよりさん」
その言葉に、心がじんわりと染み込んでいった。
コメント
1件
ひよりさん…このエピソード尊すぎて叫んだ😭💕✨ まず駆け込む陽一さん良すぎん?閉店直前の雨の中を15分で往復してくるの…それだけで愛が溢れてるじゃん🥺 で「よかった」って震えながらハグって…バグじゃなくてアップデートって…えっ待ってそれ天才すぎるでしょ?! 二本線にドキドキしながら読んでたこっちも一緒に泣きそうになったよ…本当に大好き…続きが気になるぅ😭💖💖