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「ゾムさん、起きてますか?」
ゾム「おー…今何時や?」
「11時前ですね」
「了解」
起こしたのにもかかわらず、ゾムは大きなあくびをしてまた布団に潜る。
「ちょっと〜ゾムさん!」
ゾムを必死に起こそうと試みる。
ゾム「いきなりそれやめてくれ」
「……?」
起こすのは当然だろう、だってもう11時が来てしまう。もう少し寝かせても良かっただろうか…。
ゾム「寝てもええか?」
「駄目ですよ。ほら!本借りてきましたから。」
手に持っている本を堂々と掲げ、自慢気にして見せる。
本の事になるとどうしても熱くなってしまう。好きだからしょうがない。
「これ面白いんですよ〜!特に登場人物が入れ替わってゆく所が〜〜…」
かろうじて開いている目がこちらを覗く。
ゾム「内容はどんなんなん?」
「それは読んでからのお楽しみってことですよ!」
ゾム「いつか読むわ…」
「絶対読まないやつじゃないですか」
「じゃあ、読み聞かせにしましょうか?」
ゾムの目が「眠い」と訴えかけてくるので、仕方なく読み聞かせにすることにした。
ゾム「小さめの声でよろしく」
「なるべく小さめで行きますね。」
エーミール「森を抜けると、そこは湖だった。僕は吸い込まれる様に茨の道を進む。足が────」
エーミール「–は–を抱きしめ、そして笑った。なぜなら────。 」
ゾムが唸り声を上げながら目を開いた。もうお昼時だろうか。
「おはようございます、ゾムさん」
ゾム「おはよう」
ゾム「ずっと読んでたん?」
「読み返してみると中々面白くて…私の自己満で読んでました笑」
ゾム「そうか笑エーミールってほんまに…」
「エミさんでいいですよ」
ゾム「ん、じゃあ。エミさんにするわ。」
そう言うと彼は、歯を見せてニカっと笑った。
12:00
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お知らせ
これからは、小説の構成を ◯◯side では無く2人の同時進行として書いていこうと思います。
ご了承ください。