変容の瞬間：彼らの交差点で織りなす絆

● 第一章：変貌

「……ねえ、その髪形、地味じゃない？」

彼女がいきなり放った一言だった。

男に向ける台詞かよ、と心で毒づきスルーした。

なれ初めは中学の時から数えて三回も同じクラス。挨拶程度から話し相手まで長かった。

その頃はまだ純朴だった。身長は突出してたが決して男子受けするタイプでなく俺も地味だからまさか自分が気に入られていたなんて以外だ。しかも髪型に興味を持つとは。

俺ってくせ毛だ。ツカミ程度なら我慢するが弄られると嫌だ。

惰性で付き合って三年のクラス替えで終わった。その程度だ。

さっき彼女2.0と接近遭遇。一体この数年に何があった。

 同級生として観察していると、気づかないかもしれないけど、恋人になると違和感が広がる。前例のないヘアスタイル。 UFOの中で改造されたんじゃないかと一瞬マジで考えた。でも、やりすぎだろ。そう思うほどレベチだった。

「うそ！？」

お返しにドン引かれた。

相変わらず感情表現豊かな人だよな。感心しつつ俺はどこか冷めてる。つまりお似合いの二人だ。

かくいう俺はストパーに憧れて大枚はたいて肩まで伸ばしている。昔のイメージは防波堤だ。なので彼女はどうか穏便に対応していただきたいのであった。