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「……ぅ、ん…………だいじょうぶ、たぶん…………」
「無理して欲しいわけじゃねぇんだけど……ごめん、俺もこういうの、慣れてなくて。もうちょっと休んだらタクシーとか呼ぼうか」
俺が人目を気にしていることも、DDは優しいからきっと気がついていて、そう聞いてくれた。何事もなかったようにビニール袋の口を結んで、俺から見えないように持ち直してくれる気遣いが、優しすぎるから、余計に痛くて仕方がない。
「いい、かえれる……てか、それ、おれがすてる、から…………」
「いや、電車乗れないって。タクシー嫌なら誰か呼ぶ?」
「……それも、ゃだ…………」
「でしょ。これも気にしなくて良いから。うみにゃにもたせるとこぼしそうだし」
気にしなくて良いって、言われれば言われるほど、気にしてしまう自分が、情けなくて申し訳なかった。
結局、いいよいいよと甘やかしてくれるDDに流されて、タクシーで自宅まで送ってもらった。その間、DDは何度も何か言いかけて、俺はそれが何を言いたかったのか、うすうす分かっていたのに、何も言えなかった。
「うみにゃ、また連絡する」
「うん……ありがとう……」
ちょっと上がっていくかとか、言えばよかったのに、言えなかった。DDにとっても見知った場所である自室の扉を開けて、ため息を一つ。
DD、一度も、何かあったのかって聞かなかった。聞いて欲しくなかったのに、言えなかったことに罪悪感が募る。こんなことに巻き込んでおいて、迷惑かけてばっかりだ。
「…………どうしたら、よかったんだろ……」
ぽつり、呟いて。重怠い身体をベッドに投げ出して、目を閉じた。