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プロローグから不穏な空気が漂ってますね。龍宮神社の巫女さんが主人公なのに、朝からテレビで見た心愛校長の「子供が大好物」発言が衝撃的でした(笑)。しかも毒入り茶を花瓶に…これは絶対やばい人です。学園島の「学生が働いて島を回す」仕組みも面白い設定だなと。最後の殺人事件依頼の電話で一気に物語が動き出しそうで、続きが気になります!
目覚まし時計の甲高い音で目が覚めた。時計の上のボタンを押して女が布団から起き上がると、長い髪はボサボサで寝癖の酷さが目立つ。
窓からは朝の光が差し込み、次の日を告げていた。今日も神社に行って巫女の仕事をしなければいけない。
彼女はかの有名な龍宮神社の巫女である。神社で働くことはとても社会に貢献できて素晴らしいと考えるタイプで、前向きな性格である。
顔を洗い、髪を櫛で整えて後ろの方で結び、鮭と大根の漬物に、ご飯、味噌汁という簡素な朝食を取る。その時近くのテーブルにリモコンがあったので、ニュースをつけた。
ショートヘアのスーツ姿であるアナウンサーが、ニュースを告げている。
「おはようございます、みなさん。ニュースのお時間です。今朝のニュースはこちら」
そう言われて映し出されたのは、大きな島だった。ところどころに人が住む場所が見えていて、無人島でないことがよくわかる。
この島の名は「心鏡島」。通称「学園島」と呼ばれている。人口はなんと2062人中、1826人が学生で、半ば実験的に作られた島だ。その島民が通う学校は、『学園ローレック』。その学校は規模が大きく、中高が一緒になっている。
そこの学園全体を取り締まる校長の名は心愛。今回はその心愛校長にインタビューをするようだ。
映像が移り変わって映し出されたのは、ピンク色の髪をお団子にして後ろにまとめている貫禄のありそうな女の人だ。場所から校長室だとわかる。
彼女は子供に話すような柔らかい口調で話す。
「『学園ローレック』はご存知の通り、中等部と高等部に分かれている巨大な学園です。この学園は、『学生の自立』をテーマに運用させて頂いています」
その言葉にインタビュアーがマイクを持って質問する。
「ほほう。具体的にはなんですか?」
「生徒たちの多くは、学園の外で働いています。何しろ、島民は9割が学生ですからね。学生も働かないと、島の生活は回りません。食料品や雑貨を売る学生、料理店を経営する学生、美容院で散髪する学生。色々います。学生のうちから仕事に触れてもらい、社会進出を促しています」
「それはすごいですね!学生の未来をよく考えていらっしゃる」
そんな会話をしていたら、校長室の扉が開き男が入ってきた。黒髪の短髪に後ろ毛はスプレーで整えており、前髪は七三分け。利口そうな雰囲気がする。
「お二人とも、お茶をどうぞ」
湯呑みに入ったお茶を二人分置いた。インタビュアーは飲んだが、心愛は飲むことなくそのお茶を校長室の机の上にある花瓶に注ぐ。すると蕾が枯れて、茎が粉々になってしまう。
もしかして心愛校長を殺そうとしたのだろうか。それはわからないが、衝撃を受けた。しかし何事もなかったようにインタビューは続く。
「学園の校長として働き、島の管理人としても働く。とても大変なことでしょう?」
「ええ、でも子供たちのためです!私は子供が大好きですからね。むしろ大好物と言っても良い!子供のためになる教育方針を目指しています」
目を輝かせながらそう言うので、やばい校長だなと感じてしまう。インタビュアーは突っ込むことなく、話を続ける。
「しかし学園内では勉強、学外では仕事。学生たちはストレスが溜まりそうですね」
「別に仕事は強制ではありませんし、娯楽にも気を配っています。子供達の間では、とあるカードゲームが流行していましてね。実は私も一緒に遊んでいます!」
「おおっ!校長先生が子供と混ざって!?本当に子供が好きなんですね」
「はい。子供が見せる無防備な表情とか、未発達の肉体美とか大好物です!」
目を輝かせてハキハキ言われても、アウトである。犯罪の匂いを嗅ぎつけてしまう。しかも公の場でこのような話は不適切だ。校長としては失格。
「そういうわけで、『学園ローレック』は入学者募集中です。共に子供の自立を目指しましょう!」などと言われても心に響かない。
女は朝食を終えたのでテレビを消し、灰色のワンピースの私服に着替えて神社へ向かおうとしたその時。一本の電話が来た。
家の固定電話を取り、耳に当てると聞き覚えのある声がする。内容は殺人事件解決の依頼だった。
#読み切り