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私
に足りないものはなんだろうか。
愛しているよ。
それは嘘じゃない。
だがそれがすべてでもないんだ。
この世界のすべてが、君を愛しているわけじゃない。
君はただひとりきりだ。
君のまわりにいる連中もみんなそうだ。
だけど、それでもかまわないと言うんなら、いっしょに来るといい。
君はまだ知らないだけだ。
君だっていつか知るときが来る。
僕たちはもう、知ってしまったんだよ。
僕たちふたりは、お互いを知っていた。
だからもうこれ以上傷つくことはないと思っていた。
それなのにあいつらは僕たちの仲を引き裂いた。
僕たちがいっしょにいたらいけないっていうのか。
なぜだよ。
僕たちを祝福してくれないのか。
僕たちはこんなにも深く愛し合っているのに。
僕たちに幸せになる権利がないなんて、どうして言えるんだ。
神様は残酷だ。
神さまはいつだって正しいはずなのに。
ねえ、僕のそばに来てくれ。
僕はいつでも待っている。
そして、もし許されるなら、どうか僕の腕の中に飛び込んできてほしい。
今度こそ絶対に離さない。
たとえどんなことがあっても。
この身が滅びようとも。己の意志を貫くために戦うのだ! 愛と勇気だけが友達だぜ!! 友情パワーで世界を救え!! 正義のために戦えば悪になることもあるんだぜ。
それはそれで楽しいよ~♪
「この世は地獄です……」
「あぁ……そうだね」
「お兄さんはどうしてこんなことを?」
「それが俺の仕事だからかな」
「仕事ですか?」
「うん」
「じゃあお兄さんの職業は何なんでしょう?」
「えっと……」
「お兄さんは一体何をして生きているんですか?」
「僕は――」
「それはもう死んだ方がいいですよ!」
「あぁああああ!!!!」
***
目が覚めるとそこは見慣れた天井だった。
「またあの悪夢だ……」
俺はこの夢を見るといつも汗びっしょりになっている。
今日は特にひどい。
時計を見ると思った以上に時間は経っていないみたいだが、気持ち的には十分すぎるほど時間が経った気分になる。
ベッドから出て洗面所に向かうと鏡に映った自分の顔が見えた。
酷い顔をしている。
寝起きだから当然と言えばそうなのだが、そういうことではない。
きっと今の俺の顔からは生気というものが全く感じられないのだと思う。
ふらつく足取りでキッチンに向かい、冷蔵庫を開けると昨日買ってきた食材がそのまま残っていた。
朝ごはんを作る気力はないのでそのまま食べることにした。
トースターにパンを入れているとインターホンが鳴る音が聞こえてきた。
こんな時間に誰だろうと不思議に思いつつもモニターを見てみるとそこには制服を着た女の子が立っていた。
彼女は隣の部屋に住んでいる女子高生で名前は知らないけどよく挨拶してくる子だ。
確か隣に住んでる子は皆同じ制服を着ていたはずだ。
ということは学校が同じなのかな。
「はい」
「あっ! おはようございます!」
いつものように登校して下駄箱を開けると、一通の手紙が入っていた。
それは今時珍しい便箋を使った手紙だったけど、ラブレターとかじゃなくて、多分お知らせみたいなものだと思う。
だって差出人の名前が書いてなかったんだもん。
それにしても、誰からだろ? わたしにこんなことしてくる人なんて思い当たらないんだけど――。
「ん?」
あれ? なんか中にもう一枚紙が入ってるような感じだぞ? わたしは不思議に思って中に入っている紙を取り出した。
「えっと、『放課後、体育館裏に来てください』――ってこれ果たし状!?」
なんでだよ!!
「うーむ……」
まさか本当に誰かと戦うことになるとは思わなかったよ。
でもこの果たし状には『必ず一人で来てください』とも書かれているし、そもそも差出人が不明だから断れないんだよねぇ。
仕方ない。とりあえず行くしかないかぁ。
☆
★
☆ そして迎えた放課後。
わたしは指定された通り一人きりで体育館の裏へと向かった。
ちなみに、うちの学校は男女別に体育館があるから、女の子同士だと更衣室で着替えないといけないんだよ。
だから、男子たちが体育の授業を受けている間、女子たちは教室の中で体操着に着替えていたんだけれど――そのときはたまたま、わたしたち三人組だけが残っていたのね。それでみんなでおしゃべりしていたら、突然、窓の外の方からすごい音が聞こえてきたわけよ。
ガラガラッ! っていう感じの音だったわ。
「えっ?」
思わず顔を見合わせるわたしたち三人……。
「あぁ……」
「やっぱり……」
「だよねぇ~……」
「うぅ……」
「えぇーっと……」
「どぉしよっか?」
「どうしようもないんじゃないですか?」
「だよねぇ~……」
「はいぃ……」
「えぇ~……」
「どうしたらいいと思います?」
「どうすればいいと思う?」
「ん~……」
「うぅ~……」
「えぇ~……」
「なんにも思いつきませんね……」
「だよね~……」
「ですぅ……」
「うん……」
「どうしたものでしょうか……」
「うぅ~……」
「困ったわ……」
「ですね……」
「ですよねぇ~……」
「ちょっと!みんなして、そこで黙らないで!」
「どうすりゃあいいんだい!?」
「だから……あのですね……」
「どうやったらいいのかわからないんですけどぉ……」
「ふむ……」
「それは確かに問題だね……」