テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「……あぁ、そこ。……とってもいいわ。……凄く、そそるわね♡」
深夜。闇に沈んだ静かな部屋で、僕は微かな「熱」と「気配」で目を覚ました。
意識はまだ、アルコールの泥の中に沈んでいる。だが、肌に触れる柔らかな感触と、耳元で聞こえる艶めかしい吐息が、僕の本能に緊急アラートを発していた。
(な、なんだ……? 誰かに触られてる……?)
薄目を開けると、そこには二つの影があった。一人は、僕の恋人である白石さん。そしてもう一人は、彼女を熟成させたような──謎の美女。その顔立ちは白石さんに酷似しているが、纏う色香が桁違いだ。まさか、白石さんのお義母さん……?
「……ふふ、いいわね。この無防備な喉仏のライン。……ひより、ここをもっと強調して描きなさい。皮膜の下の『震え』を写し取るのよ」
「うん……。陽一さんのこの、苦しそうな寝顔……かわいそうだけどやっぱり最高♡」
二人は僕を至近距離で舐め回すように見つめ、細い指先で僕の鎖骨や腕のラインをねっとりとなぞってくる。
(……襲われてる? 僕は今、親子二人に、同時に食べられようとしているのか!?)
混乱する僕の意識をよそに、時間は一時間ほど前へと遡る――。
277
芙月みひろ