「さっむ…」
先ほどラミアに変な勘違いをされそうになり、流れのままこの極寒の中へ出たことを後悔し始めていた
「ラミア…やっぱ寒いからかえ…」
引き返そうとフレアが提案しようとした
「雪綺麗だね〜!久々に外出たからちょっと楽しくなってきちゃった!」
薄着なのにも関わらず、笑顔で楽しんでいるラミアにフリアの気持ちなどしれなかった
「馬鹿は風邪をひかないにも度があるだろ…」
「なんかいった?」
「いや…気にすんな…」
白いため息と共にフリアは先人の言葉の具現に冷たい目線を送るのだった
…
まぁ…でも、来てよかったな
無邪気に喜び、心の底から楽しんでいるラミアを見て、フリアはどこか心温かい気持ちになっていた
『私のとこに来ない?』
…
「あのさ」
「ん?何?」
「なんでさ、僕を拾ってくれたの」
今まで聞いてこなかったこの疑問
あの日、全てを失った自分に手を差し伸べてくれた
ずっとわからなかった 聞く勇気も出なかった
彼女は ラミアは…
…
「どうしちゃったの?そんなこと聞いて 私がフリアを拾ったことにそんな深い理由なんてないよ ただ、困ってそうだったからさ」
…嘘だ
ありきたりな答えの前にフリアは信じられずにいた
「そんなさ!真面目っぽいことよりさ!見て!」
ラミアはパッと明るい表情にもどし、指差した
「…綺麗だな」
そこには美しい夜空に浮かぶ、あの日見た月が浮かんでいた
『もう終わらそう…』
あぁ、あの日から変わったんだ
自分の手じゃなくて…あの少女によって…
月に思いふけ、あの日のことを思い出す
そして、ふとラミアの方へ横を見る、すると
ラミアは泣いていた
「ごめんね…」
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